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日越芸術家による合同展、ホーチミン市美術博物館で開催中
<写真:tuoitre.vn>
ベトナムと日本の芸術家25人による合同展「Sắc thu 2025(秋の色彩2025)」が、ホーチミン市美術博物館にて開催されている。
会期は9月29日までとなっており、両国の芸術的対話を体感することが可能な貴重な機会である。
本展はナンマイ画家クラブとベトナム・日本友好協会ホーチミン市支部の共催によって実現したもので、油彩、漆絵、絹絵、グラフィック、彫刻、インスタレーションといった多様な技法を用いた計176点の作品が展示されている。
参加作家は22人のベトナム人作家と3人の日本人ゲスト作家で構成され、日越両国の感性と表現が交差する場となっている。
ベトナム人作家たちは、農村の風景や都市の路地、日常生活を題材にしながら、素朴な情景の中に郷愁と美を宿らせている。
とりわけ漆絵と絹絵は、それぞれ重厚な深みと繊細な柔らかさを持ち、伝統技法の継承と深化が感じられる。
彫刻やグラフィックの分野では、ミニマルかつ現代的な造形が目を引き、素材や空間に対する新たな視点が提示されている。
一方、日本人作家である友井隆之さん、佐野能久さん、大野知英さんの3人は、廃材や使用済み素材を活用した作品を出展し、物質の再生や環境問題への哲学的なアプローチを提示した。
これらの作品は、素材そのものの声に耳を傾け、廃棄物に新たな命を吹き込む芸術的試みとして高い評価を受けている。
本展は芸術を通じた日越友好の象徴でもあり、過去にホーチミン市で展示経験のある日本人作家たちの再訪によって、両国の芸術家間における継続的な交流の深化が示された。
出展作家の1人であるファン・ミー・トゥエット氏は、過去10年の自身の創作活動を回顧する作品を出展し、本展への参加を「人生の特別な機会」と語っている。
芸術性のみならず、環境・社会・文化といった多様なテーマを内包する本展は、鑑賞者に対して視覚的な美のみならず、人間性や持続可能性への深い思索を促す空間となっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。