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ベトナムの気象予報、AIとスパコンで高度化

<写真:thanhnien.vn>
ベトナム気象水文局はスーパーコンピューター「CrayXC40」および人工知能(AI)の導入により、台風や豪雨といった自然災害に対する予報・警報の精度向上を目指している。
これは気象水文分野における国家的技術革新の一環であり、2025年に創設80周年を迎える同局が、将来の気象災害への対応力を強化する姿勢を示すものである。
なお、記念式典は台風10号および11号の影響を考慮し延期され、同局は災害対応を最優先事項としている。
導入されたCrayXC40は約80テラフロップスの演算能力を有し、ベトナム全土および南シナ海を対象とする3km解像度の予報を、30〜40分で生成可能である。
2024年9月の豪雨時には、局地的な洪水や地滑りに対する警報を支援するなど、その実効性が実証された。
また、同局は高解像度の数値予報モデル(NWP)を導入し、国内観測データと欧州中期予報センター(ECMWF)のデータを統合している。
これにより、予報生成までの時間を従来の5〜8時間から2〜3時間へと大幅に短縮した。
さらに、AI技術を活用した超短時間予報(0〜6時間)の精度向上も進められている。
AIは、衛星およびレーダーデータを基にした台風の認識や集中豪雨の予測、さらにはリアルタイムでの土壌湿度シミュレーションによる土砂災害警報にも応用されている。
これらの取り組みにより、予報の精度は着実に向上している。
台風予報の対象期間は従来の24時間から3日間に延長され、48時間先における位置の誤差は半減した。
豪雨や洪水の予測精度は約75%、寒波および猛暑の予報精度も70〜90%に達している。
ベトナム気象水文局は今後もAIを中核とする国産予報モデルの確立を目指し、気象災害への対応能力のさらなる強化に取り組む方針である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。