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ベトナム人は歯医者が嫌い?歯科治療が遅れる背景

2025年10月24日(本日)07時00分 公開
ベトナム人は歯医者が嫌い?歯科治療が遅れる背景

<写真:tuoitre.vn>

 

ベトナムでは、国民の9割以上が虫歯や歯周病といった歯科疾患を抱えているが、多くの人々が治療を後回しにしており、症状が進行してから初めて医療機関を受診する傾向が強い。

 

このような治療の遅れは、歯の喪失や顎骨の損傷、顔面への感染拡大といった合併症を引き起こす可能性がある。

 

さらに、咀嚼機能の低下や生活の質の悪化、治療費の増加にもつながるため、深刻な社会的課題となっている。

 

ハノイ医科大学口腔外科教育研究所のヴォー・チュオン・ニュー・ゴック副所長によれば、ベトナムにおける歯科治療の遅延の背景には、主に5つの要因がある。

 

第一に、歯科疾患の進行や早期治療の重要性に関する知識が十分に共有されていない点が挙げられる。

 

歯茎の出血や歯の汚れといった初期症状を軽視し、高齢化に伴う自然な現象と受け止めてしまう傾向が根強い。

 

第二に、歯科治療費の高さが大きな障壁となっている。

 

特に低所得層にとっては治療費の自己負担が大きく、公的医療保険制度が歯科領域において十分に機能していないため、経済的負担が治療の遅れを招いている。

 

第三に、歯科治療に対する恐怖心が根深く残っている点がある。

 

過去の痛みの記憶や治療に伴う不安が、無痛技術の進歩にもかかわらず多くの人々に影響を与えている。

 

第四に、歯科医療資源の都市集中が問題となっている。

 

高品質な歯科治療を提供できる施設は都市部に偏在しており、農村部や遠隔地では専門医の不足や設備の未整備が深刻である。

 

地方ではX線撮影や高度な治療が受けられない事例も多い。

 

第五に、民間療法への依存と文化的背景が受診の遅れに影響している。

 

歯痛や腫れを塩水や生薬といった伝統的な方法で自己治療する風習が根付いており、専門医療機関へのアクセスが後回しにされる一因となっている。

 

これらの課題を解決するためには、歯科疾患に関する正確な知識の普及、治療費の透明化と保険制度の充実、無痛治療技術の導入による不安の軽減、地方における歯科医療サービスの強化、そして科学的根拠に基づく予防啓発活動の推進が不可欠である。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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