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フォー好きなら知ってて当然、牛肉か鶏肉か起源はどちらが先か

2025年11月10日(月)07時00分 公開
フォー好きなら知ってて当然、牛肉か鶏肉か起源はどちらが先か

<写真:laodong.vn>

 

ベトナムを代表する料理であるフォーの起源や発展をめぐっては、現在も議論が続いている。

 

特に、牛肉フォーと鶏肉フォーのどちらが先に誕生したかについては意見が分かれているが、研究者チン・クアン・ズン氏の見解によれば、牛肉フォーが原型であるという説が有力とされている。

 

同氏の著書『100年のフォー』によれば、フォーの起源は水煮水牛肉料理にさかのぼるという。

 

1930年に出版された『カイチー進徳会辞書』では、フォーは「細く切ったライスヌードルを牛肉と煮込んだ料理」と定義されており、この時点で牛肉フォーがすでに一般化していたことが窺える。

 

一方で鶏肉フォーは、1939年に牛肉の供給がない月曜と金曜に代替品として登場したものであり、伝統的なフォーとは異なる派生形と位置づけられている。

 

1964年以降の抗米戦争期には「フォー・コン・グオイ・ライ(無人フォー)」と呼ばれる新たな呼称も生まれた。

 

これは肉の入っていないフォーを指し、当時登場した米軍の無人偵察機にちなんで命名されたとされる。

 

栄養価は高くなかったが、物資の乏しい戦時中には貴重な食事として人々に重宝された。

 

かつてのハノイでは、フォーを盛りつける器にも特徴があった。

 

底がすぼまった陶器の丼が使用されており、保温性に優れたこの器は、最後の一口までスープの温かさを保つことができる点が評価されていた。

 

フォーはこのようにして、日常的な軽食として親しまれていた。

 

また、フォーにはフランスの食文化の影響が見られる例もある。

 

1930年代には、フランス風の赤ワイン煮込み「ソッ・ヴァン」を取り入れた「フォー・ソッ・ヴァン」が登場した。

 

これはフランス官僚の宴席で偶然生まれたとされ、現在でも人気のあるバリエーションとして定着している。

 

地域によるフォーの多様性も顕著である。

 

たとえば、ラオカイ省バクハの名物である「フォー・チュア(酸味フォー)」は、赤米を原料とした手作り麺を使用し、保存料を一切用いずにその日のうちに提供される。

 

このため、店舗ごとに風味が異なり、食べ比べを楽しむ文化も根づいている。

 

フォーは単なる麺料理ではなく、ベトナムの歴史、文化、そして地域ごとの個性を映し出す象徴的な存在である。

 

その多様性と奥深い背景には、今後も一層の関心が寄せられていくであろう。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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