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ハイブリッド車市場に熱気、VinFastが新たな一手を模索
<写真:vietnamnet.vn>
ベトナムの自動車市場において、ハイブリッド車(HV)の存在感が急速に高まる中、地場メーカーであるVinFastが同分野への参入を準備しているとの観測が浮上している。
トヨタやホンダといった日系メーカーが現地生産を本格化させる中で、VinFastの動向に注目が集まっている。
11月初旬に開催されたタイヤメーカーSailunのイベントでは、VinFastのロゴを冠した複数の車両画像が展示され、その中にはハイブリッド車とみられるモデルも含まれていた。
該当車両は同社の電動SUV「VF 8」に似たデザインを有し、特徴的なV字型ロゴとLEDライトを装備している。
SailunはVinFastのOEMタイヤ供給業者であり、今回の展示によりVinFastがハイブリッド車を新たに投入する可能性が一段と高まった。
VinFastは2022年7月にガソリン車の生産を終了し、完全電動車(EV)への転換を発表していた。
しかし、近年のハイブリッド車市場の急成長を受け、戦略の柔軟な見直しに動く可能性が出てきた。
実際、2025年前半のベトナムにおけるHV販売台数は前年同期比で64%の大幅な増加を記録しており、2026年からはHVに対する特別消費税の軽減措置が実施される見通しである。
これにより、HVの販売価格は数億ドン規模で下落する可能性がある。
日系メーカーの動きも活発化している。トヨタ・ベトナムは、ハイブリッド車の現地生産に向けて約3億6000万ドル(約557億円)を投資し、フート省の工場を増強する計画を発表した。
ホンダも、これまでタイから輸入していたHV「CR-V e:HEV」をベトナム国内で生産する方針を示している。
ハイブリッド技術には、エンジンを補助するモーターを搭載するMHEV(マイルド・ハイブリッド)、自己充電型のHEV(ハイブリッド)、外部充電が可能なPHEV(プラグイン・ハイブリッド)、さらにエンジンを発電専用とするEREV(レンジエクステンダーEV)などの形式がある。
VinFastはすでに国内で充実した充電インフラを展開しており、PHEVやEREVといった形式において優位性を持つ可能性がある。
市場の拡大と政策的な支援が追い風となる中、VinFastがEV専業からHV市場へと事業領域を広げることになれば、ベトナム国内ブランドによる競争が一層活性化することが期待される。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。