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カンボジア強制労働の実態、若年女性が多臓器不全で重体
<写真:plo.vn>
ベトナム・ホーチミン市のビンザン病院は21日、カンボジアから帰国した22歳の女性患者に対して、重度の尿路結石および感染性ショックのため緊急手術を実施し、一命を取り留めたと発表した。
患者はアンザン省出身のN.T.Nであり、幼くして母を亡くし、ベトナムとカンボジアの国境地帯にて困窮の中で育った。
2024年9月、幼い子どもの生活費を得る目的で知人に誘われカンボジアへ渡航したが、「パソコン業務」と称して連れて行かれた先は、実際にはオンライン詐欺を行う犯罪組織の拠点であった。
Nは偽アカウントを用い、標的となる相手に接触して詐欺へ誘導する作業を強要された。休憩すら許されず、排尿の回数にも制限があったとされる。
栄養不良と精神的圧迫が続いた結果、Nの体調は急速に悪化し、2025年11月初旬には激しい腰痛と血尿を訴えるまでに至った。
歩行も困難となり業務が不可能と判断されたため組織から放逐され、その後、現地住民の支援を受けてベトナムへ帰国した。
帰国後はアンザン省内の病院へ搬送されたが、病状が極めて深刻であったため、即日ホーチミン市のビンザン病院へ転送された。
同院での検査により、腎臓、尿管、膀胱にかけて大量の結石が確認され、最大の結石は鶏卵大にまで達していた。医師らは緊急手術を行い、感染源の除去と輸血を実施した。
現在、Nの容態は安定に向かっているものの、腎機能には重大な障害が残っており、長期的な治療が必要な状態である。
さらに、Nは身分証も健康保険も所持しておらず、家族もまた生活困窮により医療費の負担が不可能な状況にある。
同病院は「Nさんは社会的支援を一刻も早く必要としており、その支援が彼女の命を繋ぐ唯一の手段である」と訴えている。
カンボジアにおける詐欺組織による労働強制の被害は後を絶たず、過去にもホーチミン市内の医療機関で同様の事例が複数報告されている。
医師や関係機関は、SNSなどを通じた国外就労の誘いに対して、とりわけ若年層に対して警戒を強めるように呼びかけている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。