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ベトナムM&A市場が再び活性化、日本企業の関心高まりが顕著
<写真:baodautu.vn>
ベトナムのM&A(企業の合併・買収)市場は、2024年および2025年の低調な動きを経て、2026年にかけて再び活発化する見通しである。
KPMGベトナムの報告によれば、2025年初頭までの10カ月間におけるM&A件数は218件、取引総額は22億9200万ドル(約3585億円)にとどまり、前年の47億6600万ドル(約7469億円)を大きく下回った。
しかしながら、2025年12月9日に開催された「ベトナムM&Aフォーラム2025」において、専門家らは2026年以降の市場回復に楽観的な見通しを示している。
ヴィナキャピタル・ベトナム・オポチュニティ・ファンドのヴー・カインCEOは、2025年後半にM&A活動が再び加速したことを指摘し、「市場は安定期に入り、今後は極めて力強いサイクルに突入する」と述べた。
市場回復の背景には、民間経済の発展を促進する政府の「決議第68号」、制度改革、戦略的インフラ投資といった政策的支援がある。
KPMGは今後、10億〜15億ドル(約1567億〜2351億円)規模の大型案件が成立する可能性が高いと予測している。
中でも日本企業による関心の高まりが顕著である。象徴的な例として、文具大手のコクヨがベトナムの筆記具最大手であるティエンロンの株式65%超を276億円で取得したことが挙げられる。
タイには約6000社の日本企業が進出しているのに対し、ベトナムは約2000社にとどまり、ベトナム市場には日本企業にとって依然として大きな成長余地がある。
さらに、外国人投資家にとっての障壁となっていた土地法や投資手続きの改善、電力直接購入制度(DPPA)の整備なども追い風となっている。
加えて、FTSEラッセルによるベトナム株の格上げは、IPOを通じた資金回収の手段を広げる効果が期待されている。
注目分野としては、再生可能エネルギー、デジタルインフラ、工業用不動産、データセンター、小売、医療、金融サービスなどが挙げられる。
特に、気候変動への対応とマクロ経済環境の変化が投資判断の焦点となっている。
財務省のチャン・クォック・フオン副大臣は、2025年1月から11月の間に実行されたFDI(外国直接投資)のうち、株式取得・出資による投資額が61億ドルを超え、前年同期比で約51%増加したことを明らかにした。
これにより、M&A市場の活況はすでに戻りつつあるとの認識が示されている。
政府は現在、外国資本導入のための制度整備や次世代型投資政策の策定を進めており、質の高い投資を受け入れる環境づくりが着実に進展している。
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