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ラオスのポリオ変異ウイルス、ベトナムへの流入に警戒強まる
<写真:thanhnien.vn>
世界保健機関(WHO)の専門家によれば、ラオスで確認された遺伝子変異型ポリオウイルスが、国境を接するベトナムへ流入するリスクが高まっている。
感染源とされる地域は、ベトナム・クアンチ省の国境から約150kmに位置しており、約3年間にわたり潜伏的な感染拡大が続いていたとみられている。
このウイルスは、2025年6月末に発症したラオス在住の3歳男児から検出されたものであり、31カ所にわたる遺伝子変異が確認された。
加えて、2例の疑い症例については現在日本で検査中である。
WHOはこの感染拡大を地域全体の共通課題と位置づけ、周辺諸国に対して迅速な対応を要請している。
ベトナム保健省のグエン・ティ・リエン・フオン次官は、流行の可能性を高める要因として、国境を越えた人的往来の多さと、国内における予防接種率の低下を挙げている。
新型コロナウイルスの影響や2023年のワクチン供給不足により、現在ベトナム国内では約100万人の5歳未満の子どもが必要な予防接種を受けていない状況にある。
保健省の評価によると、2020年から2024年にかけて15の地方が重点監視地域に指定されており、なかでもカオバン省、ザライ省、ドンナイ省など7つの省が高リスクとされている。
さらに、国境や地理的条件により直接的な脅威にさらされる8省も監視対象に含まれている。
感染拡大を防止するため、保健省は各地方自治体に対し、未接種児童の把握と追加接種の実施を指示するとともに、感染国から入国する15歳未満の子どもに対する検査の強化を求めている。
特にラオスと接するクアンチ省では、麻痺症状を示す症例の監視体制が強化され、追加接種の実施が進められている。
ポリオは、主に経口または呼吸器を通じて感染する急性ウイルス性疾患であり、重症化すると肺炎や筋萎縮、さらには呼吸麻痺を引き起こし、死に至ることもある。
WHOは現在もポリオを国際的な公衆衛生上の緊急事態に位置づけており、引き続き各国に対策の強化を促している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。