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ベトナム帰国労働者、繰り返される「出稼ぎ」の輪廻

2025年12月17日(本日)07時00分 公開
ベトナム帰国労働者、繰り返される「出稼ぎ」の輪廻

<写真:www.misa.vn>

 

日本などでの技能実習を終えたベトナム人労働者が、帰国後に新たな生活を始めるも、再び海外での就労を選択する例が後を絶たない。

 

国内での職探しの困難、起業へのハードル、技能のギャップ、心理的負担などが背景にある。

 

ベトナム南部出身のT氏(31)は、2019年に日本での技能実習を終え、約2億ドン(約120万円)を持って帰国した。

 

帰国後は美容業界での再出発を目指したが、技術や機器の変化に追いつけず、再教育に高額な費用がかかることもあって断念した。

 

その後、ホーチミン市で製造業に従事したが、収入は日本時代の半分以下に落ち込み、2023年末には再び日本での就労を決意し、特定技能制度への申請を行った。

 

このようなケースは珍しくない。

 

日本の国際協力機構(JICA)の報告によれば、帰国したベトナム人技能実習生のうち、国内で安定した職に就けた割合はわずか26.7%にとどまる。

 

また、国際労働機関(ILO)と国際移住機関(IOM)の共同調査でも、帰国後の求職活動において困難を感じたとする回答が約44%に上る。

 

教育訓練会社によれば、帰国労働者が直面する「3つの衝撃」として、収入と技能の格差、心理的プレッシャー、無計画な起業による失敗がある。

 

国内の平均月収は日本の3分の1に過ぎず、海外経験を活かせる職種も限られている。

 

また、社会的な期待に応えようとする焦りから、十分な準備もないまま起業し、結果として資金を失うケースも少なくないという。

 

実際に、長年の日本勤務を経て帰国したハノイ在住のある夫妻は、約400万円の蓄えをもとにブライダル業を始めたが、収益が伸び悩み、再渡航を検討せざるを得なかった。

 

同教育訓練会社は、労働者自身に長期的なキャリア設計への意識が求められるとして、海外滞在中に国内で活かせる技能や資格を取得することの重要性を指摘する。

 

また、送り出し企業に対しては、職務内容や将来展望に関する透明性の高い情報提供が必要であると強調する。

 

現実には、帰国者の60~70%が再渡航を視野に入れているとされ、準備不足が帰国後の生活の不安定さを引き起こす一因となっている。

 

この「出稼ぎの輪廻」を断ち切るためには、労働者個人による主体的な準備と、制度的な支援体制の強化の双方が不可欠である。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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