9月はベトナムの建国記念!〜ホーチミンの「穴場」歴史的建造物を巡る〜
9月2日はベトナムの建国記念日
歴史を振り返る、良い機会です。
どこかベトナムの歴史を象徴するような場所に行ってみてはどうでしょうか。
戦争証跡博物館、市民劇場、統一会堂……。
え、もう全部行った?もう見るものがない?
心配ご無用。そんなベトナムをよく知る皆さんがうなるような、コアな歴史スポットを調査して参りました。
また、9月というと、日本もベトナムもまだまだ暑い時期ですね。
歴史に絡んだ怪談話で、涼をとってみるのはいかがですか?
今回の特集では、ホーチミンの秘境・穴場スポットと共に、ヒヤっと背筋が寒くなるような都市伝説も合わせてご紹介いたします。
1. ホーチミン市美術博物館(Ho chi minh city Fine Arts Museum)
ベンタイン市場から徒歩一分という好立地にあり、ベトナム人の間ではホーチミン市内の主要な美術館の一つとして知られています。
ベトナム国内外のアート作品が展示されており、制作年代は4世紀から21世紀までと非常に幅広いラインナップ。
実は、黄色を基調とした外観が大変かわいらしいこの美術館、ちょっと怖い噂があるんです。
もともとは、貧しい中国人移民として渡越し、一代でホーチミンを代表する大富豪に成り上がったHui Bon Hoaが1920年代に自宅として建設したのがはじまり。
しかし、家族と共にこの豪邸で贅沢な暮らしを楽しんでいたHuiに、溺愛していた娘が若くして病死するという悲劇が襲います。
サイゴン随一のお金持ちとして知られていたHuiの不幸には様々な都市伝説が語られています。
最も有名なのは、一周忌に娘が幽霊となってこの屋敷に現れたというもの。
人形を抱えて棺桶に座る彼女が、お供え物のご飯を食べていたとか、今でも夜中に彼女がすすり泣く声が聞こえるとか……。
夜中には聞きたくないような怖い噂がまことしやかに囁かれるものの、中身は貴重な芸術作品がていねいに展示された、いたって真面目な美術館です。
入場料:一万ドン
住所:97A D Pho Duc Chinh, Ho Chi Minh City
2. 玉皇殿(Jade Emperor Pagoda)
1909年に道教の最高神、玉皇上帝(Ngoc Hoang)に敬意を表すため、広東人によって建てられた寺院です。
門をくぐって先へ進んでみると…
水を溜めた大きな水槽のようなものがあり、よく見ると魚がたくさん!
ベトナムでは、良いことや悪いことなど、1年間の振り返りを天の神様に伝える風習があり、その振り返りを竈神が魚に乗って天の神様に伝えに行くという言い伝えがあります。
魚をここに放流し、竈神を天に送ることで、家族と共に幸せな一年間を送ることができると考えられているのです。
魚の放流は正月などに行われ、お寺に行けない人は、川や湖に放流する人もいます。
ただ、一度に多くの魚を放流すると、魚が死んでしまう可能性が高いため、近年は行われていないそうです。放流する理由には、竈神を天に送るだけでなく、魚を食べずに生かすという感謝も含まれているからです。
お寺の横には、小さい亀がたくさんいる池もありました。
亀は購入することができ、この池に亀を放流すると、子宝に恵まれると言い伝えられています。
それでは、お寺の中に入って行きましょう。
中央の大きな部屋には、様々な像がいたるところに祀られていました。
目が大きく、像自体もとても大きいのが特徴。
この部屋以外にも小さな部屋がいくつかあり、各部屋ではそれぞれの神様が祀られています。
特に女性の方にオススメなのが、こちら。
こちらは、子宝の神様である「金華娘娘」が祀られています。
このお寺を創設した広東人は、もともと金華娘娘を拝める習慣があり、ベトナムでも拝め続けられるようにこの空間を作ったそうです。
サイドに並んでいるのは、12人の仙人。
この仙人は、子供ができ、産まれるまでの一つ一つの過程における様々な役割を担っているといいます。
右側の仙人6人は、男の子、左側は女の子を授かりました。
そのため、男の子が欲しい場合は右へ、女の子が欲しい場合は左へ拝むと良いそうです。
また、ご縁の神様も祀られているため、彼氏や彼女が欲しい方やパートナーを探している方にもおすすめです。
オバマ元大統領も訪れたという玉皇殿。
平日でも多くのベトナム人や観光客で溢れていますが、入場料も無料なので、ぜひ一度足を運んでみるのはいかがでしょうか?
住所:73 Mai Thi Luu St., Dakao Ward, District 1
営業時間:7:00〜18:00
入場料:無料
3. Tao Dan公園(Công Viên Tao Đàn)
たくさんの木々に囲まれたこのTao Dan公園は、1869年に設立されました。
この公園内には、中央の噴水奥にお寺が建てられています。
1992年に建設されたこのお寺には、ある3人の歴史上の人物が祀られています。
真ん中にはHùng Vương王、左にはその生みの母であるÂu Cơ、そして右側にはHo Chi Minhの像が置かれていました。
Hùng Vương王は、ベトナム国家を建国したと言われている人物。しかし、彼の遺跡や遺物などは未だ発見されていないそうです。
このHùng Vương王の命日である旧暦3月10日には、人々がお祈りするためにこのお寺へやって来ます。
このTao Dan公園、奥へ歩いていくとお墓も…
こちらは、17〜18世紀に造られたリッチな広東人とその妻のお墓だそうです。
やがて、ベトナムはフランスの支配地となり、この土地もフランス人の土地となりますが、お墓はそのまま残されているそう。
なぜここに建てられたのかは不明のまま…
早朝と夕方には、学生や運動する人で溢れるこのTao Dan公園。
お寺もお墓も無料で自由に見ることができるので、ぜひ散歩などのついでに訪れてみてください。
住所:57 Nguyễn Thị Minh Khai, Bến Thành, Quận 1, Hồ Chí Minh
4. ドラゴンハウス(Bến Nhà Rồng)
1911年6月5日、ホー・チ・ミンが救国のためにフランスへ旅立った場所です。
この建物は、もともと1863年にフランス人が建設したもので、フランスの植民地時代には港の本部として利用されていました。
その後、南ベトナム政府が改装して現在の建物になりました。
屋根の両サイドに装飾されたドラゴンが特徴的なので、「ドラゴンハウス」と呼ばれるようになったそうです。
そして、1979年ホー・チ・ミンの死後10周年の際に、ホー・チ・ミンがベトナム救国のために行ってきた経歴などを展示する博物館として開放されました。
2階からは、サイゴン川の綺麗な景色を眺めることができ、館内は1〜2時間ほどで回れるでしょう。
ベトナムの歴史を知りたい方、ホーチミンについて詳しく知りたい方はこちらがおすすめです!
※展示物は、ベトナム語と英語での説明があります。
住所:No.1 Nguyen Tat Thanh通り、4区
営業時間:7:30~11:30、13:30~17:00(休業日:月曜日)
入場料:2,000ドン(子供、学生は無料)
5.ベトナム戦争で使われた秘密の武器庫
最後は、現地人の間でも知る人ぞ知る、しかし足を運べば必ず圧倒されること間違いなしの大穴場。
なんとこの小さな博物館、ベトナム戦争で実際に使われていた秘密基地なのです。
なんの変哲もない格子柄のフローリング。パカっと開き……
いかにも危なそうな銃が保管される武器庫につながります。
今はふさがれているこの丸い穴ぼこも、戦争当時は秘密の抜け穴。
ベトナム戦争は間違いなく、起こるべきではなかった悲惨な出来事です。
しかし、この博物館に限っては、まるで映画の中のようで不謹慎ながらもほんの少しワクワクしてしまいました。
展示されている銃器はすべて、今はもう使えなくなっています。
こちらが当時の様子を再現した模型。
一見、平凡な民家に見せかけて地下は秘密の武器庫として使われていたようです。
管理人のおじさんは英語も日本語もまったくしゃべれないため、ベトナム語ができる人と一緒に行くことをオススメします。
住所:287/70 Nguen Dinh Chieu, Phuong 5, DIstrict 3, Ho Chi Minh City
営業時間:管理人のおじさんの気が向いたとき
入場料:無料
まとめ
いかがでしたか?
観光ガイドでは中々知ることのできない、ローカルネタに富んだラインナップでしたね。
ホーチミンに行ったことのある人の中には、「観光するところが少ない」なんて声を聞くことがありますが、実は深掘りすると興味深い場所も多いです。
このまとめを参考にどんどん街へ出て、あなただけのレアスポットを探してみましょう!