ベトナムが報じる菅首相来越、両政府の思惑とは

2020年10月15日(木)14時40分 公開
ベトナムが報じる菅首相来越、両政府の思惑とは

<写真:VN Express>

 

菅首相が総理大臣に就任してから初となる外遊として、10月18日〜21日の日程でベトナムとインドネシアを公式に訪問することが発表された。

菅首相が総理大臣に就任してから初となる外遊として、ベトナムとインドネシアを訪問することを正式に表明したことを受け、ベトナムでも各メディアがそれを報じている。

日本のメディアでは、新型コロナウイルスで打撃を受けている両国への経済支援策や中国の南シナ海への進出が強まる中での自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携などについて意見が交わされる見通しだと報じている。

 

ベトナムのメディアも菅首相の来越で期待されることについて報じている。

菅首相の来越に先立ち、12日には両国首脳が電話会談を実施し、フック首相がベトナム政府を代表し、菅首相の総理大臣着任を祝福したという。

また、ベトナムは日本を主要な長期的な戦略的パートナーと認識しているとし、引き続き二国間協力を積極的に促進し、両国の国民、平和や地域発展のため、地域問題や国際的な懸念などを解決していきたいとフック首相は話したという。

 

さらに、フック首相はこれまでの新型コロナウイルスパンデミックにおける日本からの支援に感謝の意を表明し、これからパンデミックを乗り越えるために両国が協力して支援できることを願っていると述べた。

専門家は来週に予定されている菅首相の訪問で、新型コロナウイルス、ASEAN、南シナ海についての協力について話し合われると予想している。ベトナムの現地メディアが報じた。

 

来週の菅首相来越を受け、ベトナムでは新型コロナウイルスやASEAN地域、南シナ海における協力について議論がなされると予想している。

グエン・クオック・クオン駐日ベトナム元大使は菅首相の来越について、緻密に計算されたものだとした上で、新型コロナウイルスにおけるさらなる協力の議論と日本の外交政策におけるASEANの役割に対する感謝を強調できるだろうと話した。

また、VNエクスプレスは今回の菅首相来越で期待できることとして、①二国間協力、②ASEAN地域、③ベトナム側が望むことについて報じている。

①二国間協力

駐日ベトナム元大使のNguyen Quoc Cuong氏は、日本政府が東南アジアで生産や供給源を多様化するための政策を展開しており、特にベトナムは日本企業が注目している国だと話した。

7月には、日本貿易振興機構(ジェトロ)が中国から東南アジア諸国に生産を移すための支援をする、海外サプライチェーン多元化等支援事業に登録している100社を超える企業のうち、日系企業30社の支援対象企業リストを発表。対象企業30社のうち、15社はベトナムへの移転を決定していた。

 

 2008年〜2011年まで駐日ベトナム大使を務めたNguyen Phu Binh氏は、ベトナムと日本の関係は新型コロナウイルスの流行で妨げられ、困難に直面する恐れがあると話した。

Binh氏によると、日本は物資や商品を中国を主要とする外国マーケットに大きく依存しているため、グローバルサプライチェーンにおいて困難に直面している。

日本政府は中国とアメリカの競争が激化しているためサプライチェーンについて考える必要があると続けた。

さらに、Binh氏ベトナムで投資を行うことで日系企業はアメリカによる中国製品に対する厳しい政策から逃れることができ、日本は大国間の競争に関しては、中立的で客観的な役割をしていると分析した。

 

香港大学アジアグローバル研究所兼任准教授の加藤嘉一氏は、新型コロナウイルスに関する知識や実践的な経験において、ベトナムと日本の二国間関係を促進できると予測している。

菅首相とベトナム政府は、治療法やワクチンを含め、パンデミックにどう対処するかを話し合うとされる。

テンプル大学のMichael Thomas Cucek氏は、ベトナムと日本は戦略的利益を共有するとし、両国間の経済的支援をすると述べている。

②ASEAN地域

Cuong氏によると、菅首相の訪問で、外交政策におけるASEANの役割についても話すとみられている。

加藤氏は、今回の菅首相の訪問の最大の目的は「自由で開かれたインド太平洋」構想の推進と、東南アジアとの戦略的関係を強化することであると述べた。

ベトナムと日本政府は、南シナ海の地政学的問題について話し合うと加藤氏は予測しており、菅首相はインド太平洋戦略の実行方法についてベトナムからの同意を求めるかもしれないと続けた。

 

「自由で開かれたインド太平洋」は2016年に安倍前首相が掲げた構想で、菅首相もそれを継承していく方針。

この戦略は、日本は国際社会の安定と繁栄の鍵は、アジアとアフリカの2つの大陸と、インド洋と太平洋の2つの海の組み合わせであるとしている。

明治大学の伊藤剛教授は、菅首相の今回のベトナムへの訪問について、ベトナムは今年、近年重要な役割を果たす東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国を務めると述べ、日本が政策の中心と見なしている項目である海上安全保障の主要国の1つと見なされていると続けた。

③ベトナム側が望むこと

今回の訪問でCuong氏は、菅首相とベトナム政府が新型コロナウイルスへの対応、ポストコロナ時代の準備について具体的な合意をするだろうと話した。

特に、両国は国民や企業のための商業便や旅行の再開について話し合うことができるとしている。

 

一方、Binh氏は両国が投資について話し合うことを望んでおり、ベトナムと日本は、日本・ベトナム経済連携協定、日本・ASEAN包括的経済連携協定、環太平洋パートナーシップ協定などにより二国間関係や商業協力を促進できると述べた。

Cuong氏はベトナムが今年ASEANの議長国を務めるとし、日本がベトナムを支援することを望んでおり、両国はまた、南シナ海を含む地域的および世界的な問題に関する協力について合意することができるだろうとしている。

 

 


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