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IELTSの試験問題提供詐欺、受験者に注意呼びかけ
<写真:VN Express>
ベトナムで「本物のIELTS試験問題を提供する」という詐欺が増加しており、国内唯一のIELTS試験機関であるブリティッシュ・カウンシルとIDPは、受験生に対して「被害に遭わないように」と警告を行っている。
ハノイの大学2年生のファム・ニュンさんは学校の卒業基準を満たすために早急に6.0点を取りたいと考えているが、昨年に何度受験しても4.5点以上を獲得することはできなかった。
ニュンさんは今年初めにインターネットでIELTSの試験問題を販売しているコミュニティグループを発見して問い合わせると、担当者から3種類のパッケージを提案された。
3種類のパッケージの内容は、2022年12月まで四半期ごとにIELTSの予想問題を提供する59万9000ドン(約3600円)のパッケージ、試験の2〜3か月前に試験用紙8枚を届ける500万ドン(約3万円)のダイヤモンドパッケージ、「精度100%」の本物の試験1回分が含まれる3600万ドン(約22万円)のVIPパッケージであった。
担当者はニュンさんに対して、試験問題は極秘でブリティッシュ・カウンシルとIDPから直接入手したものだと伝えた。グループのページ内で良いレビューを見たニュンさんはダイヤモンドパッケージを購入した。
しかし、実際のテストはニュンさんが受け取った試験問題とは一致しておらず、試験問題の購入先に返金を訴えたところ、ブロックされてしまったという。
ベトナムではIELTSを入学審査の優先事項の1つとする大学が増加しており、多くの人々がニュンさんと同様に本物のIELTS試験用紙と回答を求めて数百万ドンを支払っている。
2017年にIELTSを入学基準としている大学はわずかであったが、昨年は30校以上が入試に取り入れた。
ニュンさんが問い合わせたページのように、受験者へ「本物」の試験用紙を提供することを約束し、大金を騙し取る詐欺師は他にも多数確認されている。
ブリティッシュ・カウンシルの東アジア地域試験担当のスティーブ・アダムス氏は、IELTS試験の評判を落とすグループがオンライン、オフラインで多数存在することを認識しており、IELTS試験センター内に試験用紙を漏洩させる人物がいると主張している。
中にはテクノロジーを使って「IELTSスコアを改ざん」「実際の試験を受けずにIELTS証明書を作成」「IELTSスコア確認システムで試験結果を偽造」することが可能だと謳う業者もいるという。
こうした内容はFacebookやInstagram、Twitter、LinkedInなどのサイトに広告が掲載され、電子メールで送られてくることもある。また、詐欺師は試験会場や試験準備センターで受験生に声をかけることも多い。
IDPはウェブサイト上でこれらのサービスに関して「詐欺であり、法的に違反である」としている。
ブリティッシュ・カウンシルによると、受験生が不正行為を行った場合には全IELTS試験センターでの試験結果取り消し、2年間の受験禁止、一定期間のレビュー拒否が行われる可能性がある。
偽の試験問題を購入して損をしたニュンさんは、現在は真面目にIELTSで8.5点を獲得した友人に家庭教師をしてもらい、外国人との交流会にも定期的に参加してコミュニケーション能力を高めているという。
ニュンさんは「来年は努力を実らせ、IELTSで6.0点を取りたい」と話している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。