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ベトナムの米輸出戦略、2030年までに44%減の4百万トンへ削減
<写真:Tuoi Tre>
ベトナム政府が発表した米輸出戦略によると、同国は2030年までに米の輸出量を2022年の710万トンから400万トンに削減することを目指している。
現時点でベトナムはインドとタイに次ぐ世界第3位の米輸出国である。
米輸出削減の動きは高品質米の輸出促進と国内食料安全保障の確保、環境保護、気候変動への適応を目的としている。
ベトナムの米輸出収入は2022年の34億5000万ドル(約4847億780万円)から2030年には年間26億2000万ドル(約3680億4700万円)に落ち込むことが予想される。
ホーチミン市に拠点を置く米取引業者は同戦略について「ベトナムの稲作面積は気候変動によって縮小し、一部農家は他作物の栽培やエビの養殖に切り替えている。しかし、この戦略は積極的すぎる」とコメントしている。
実際にメコンデルタの一部米農家はマンゴーやグレープフルーツ、ジャックフルーツ、ドリアンといった果物栽培に転換しているが、大半は依然として米栽培に依存する状態である。
メコンデルタでは気候変動による海水温の上昇で塩分濃度が大幅に上昇し、エビの養殖を行う動きが数年前から出てきている。
同戦略でベトナムは米の輸出市場を多様化し、どの国にも依存しないようにするとしており、2025年までに米輸出の60%をアジア市場、22%をアフリカ、7%を米国、4%を中東、3%を欧州へ出荷する予定であるという。
ベトナム政府は同国が高品質で香り高いもち米の生産に注力する一方、低品質の穀物生産を2025年までに総生産量の15%、2030年までに10%に減らすとしている。
発表を受けたメコンデルタ地方アンザン省の米穀商は「米生産は政府の決定ではなく、需要と供給によって決まる。この戦略が実現するかどうかは疑問である」と指摘した。
政府の税関データによると、今年1〜4月のベトナムからの米輸出量は前年同期比40.7%増の290万トンであった。
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