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アジア各国で最高気温記録更新が続く、ベトナムは6月も酷暑か
<写真:VnExpress>
アジア各国が最高気温記録を塗り替える猛暑に見舞われ、急速に変化する気候への適応能力に対する懸念が高まっている。
アジアでは4月に大陸の大部分を襲った猛暑の後、通常は涼しいモンスーン季節の始まりである5月下旬に再び気温が上昇した。
中国や東南アジアなどで季節の最高気温が記録されたが、専門家は最高気温の記録更新がまだ続くと警告している。
豪州ニューサウスウェールズ大学の気候科学者であるサラ・パーキンス・カークパトリック氏によると、最高気温の記録更新は気候変動が進むにつれて悪化する一方であり、慣れて適応していくことは難しい。
ベトナムの熱波は6月まで続くことが予想されており、エアコン需要が送電網を圧迫する恐れがあるため、当局は既に街灯を消すといった節電対応を余儀なくされている。
ハノイ市の南方約150kmに位置するタインホア省では、5月6日に44.1℃という史上最高気温を記録し、別の省でも43.3℃といった気温が記録された。
ベトナムの国家気象予報士は6月1日、電力消費の多さに起因する住宅火災や脱水症状、疲労困憊、熱中症の危険性を警告した。
中国では5月29日に上海が過去100年以上の記録を更新する暑さに見舞われ、翌30日には深センの気象観測所でも40.2℃という5月の記録を更新しており、熱波は南部を中心に数日続くとみられている。
4月時点で既にインドとパキスタン、東南アジアは厳しい熱波に見舞われ、広範囲に渡ってインフラに損害を与え、熱中症患者が急増した。バングラデシュは過去50年間で最も暑く、タイは45℃を記録している。
また、5月に入っても最高気温記録は更新され続け、シンガポールは過去40年間で最も暑い気温となった。
タイ・チェンマイ大学のChaya Vaddhanaphuti氏によると、インドや他の国では涼しい部屋の開放や屋外作業の制限といった猛暑から生じる健康リスクへの対処プロトコルが確立されているが、政府はより脆弱なコミュニティを守るための計画を立てる必要がある。
ブリストル大学の研究者チームは4月に発表した論文で、猛暑の経験が少ない地域が最も危険であり、ロシア東部や中国の首都北京とその周辺地域がより脆弱であると指摘した。
同論文の筆頭著者であるVikki Thompson氏によると、インドのように湿度が高く、湿球温度が既に危険なレベルまで上昇している国では、最悪の事態に備えるだけでは不十分である可能性が高い。
将来的に人間が対処可能な限界に達し、誰も対処できないような状況になる可能性もあるという。
科学者たちは先週発表された別の研究で「世界がこのまま今世紀中に平均2.7℃上昇した場合、20億人が危険な暑さに晒されることになり、インドが最も大きな被害を受ける可能性がある」と警告した。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。