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中国産のアメリカザリガニが拡散、生態系破壊に懸念
<写真:vietnamnet.vn>
近年、中国から輸入された外来種のザリガニがベトナム市場に流入しており、その価格は1kgあたり36万〜40万ドン(約2213〜2460円)で取引されている。
商人たちによると、中国のザリガニは水がなくても一日中生き延びることが可能で、水槽の中では一週間も元気に生き続けるという。
これは日本でアメリカザリガニ(学名: Procambarus clarki)として知られる品種で、ベトナムでは天然資源環境省が2018年に発行した外来生物リストの附属書2に掲載されている。
また、2019年の政府令第26号に伴う許可された水産物リストの附属書VIIIには含まれていない。
しかし、商人たちは法を無視して販売を続け、消費者もアメリカザリガニが禁止された外来種であることを知らずに購入している。
アメリカザリガニは雑食性で夜行性であり、土や泥を堀ることが得意であるため、現地の生態系を破壊する恐れが高い。
さらに、様々なウイルスや寄生虫を持ち込む可能性がある。このような特性から、アメリカザリガニは他の水産物と競合し、環境に深刻な影響を及ぼすことが懸念されている。
農業農村開発省の資料によると、アメリカザリガニは1930年代に日本と中国に初めて導入された。
アメリカザリガニは汚染された環境でも生き延びる能力を持ち、特に日本では都市の下水道でも見られる。
ベトナムでは2012年にフート省で試験的に飼育されたが、経済的な効果は得られず、その後、環境への危害を考慮して飼育は中止された。
専門家たちはアメリカザリガニが他の水産物と競合し、環境に悪影響を及ぼすとして、導入を避けるように提言している。
中国は世界最大のアメリカザリガニ養殖国であり、生産量は2003年から2018年の間に30倍に増加し、160万トンに達した。
しかし、その急速な拡大は、農地の使用に重大な影響を与え、他の農産物の生産に悪影響を及ぼしている。
特に農家が稲を収穫せずにアメリカザリガニの餌として使用する例も見られる。
これにより、中国政府は食糧安全保障の観点からアメリカザリガニの養殖戦略を見直す必要に迫られている。
アフリカでは、1970年代にケニアと南アフリカが最初にアメリカザリガニを導入し、その後、急速に他の地域にも広がり、現地の生態系に壊滅的な影響を与えた。
アメリカザリガニは植物、動物、その他の生物を食い尽くし、土や泥を堀る活動によってインフラに深刻なダメージを与えているという。
ベトナムは農業が主要な産業であり、何百万人もの生活が農業に依存している。
過去にはジャンボタニシの近縁種であるゴールデンアップルスネイルが導入され、農業に大きな被害をもたらしたこともあり、アメリカザリガニが同様の災害を引き起こす可能性が懸念されている。
ベトナムではアメリカザリガニが増殖し、環境を破壊する前に、厳格な管理と取引の禁止が求められる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。