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ブラックフライデー、年間通じたセールで「熱気」失う
<写真:tuoitre.vn>
ブラックフライデーはかつて年末商戦の最大の目玉であったが、最近ではその影響力が薄れつつある。
オンラインマーケットや店舗での年間を通じたセールの常態化、さらに虚偽の割引表示への不満が消費者の購買意欲を削いでいる。
こうした現象はホーチミン市や全国の商業施設、オンラインプラットフォームに広がりつつある。
ホーチミン市の主要商業施設やショッピングストリートでは、ブラックフライデー前から大規模なセールが展開されており、最大70%割引を謳うポスターが店舗の外壁を埋め尽くし、買い物客を惹きつけようと競争が激化している。
しかし、消費者の反応はかつてほど熱狂的ではない。
ある衣料品店経営者は「在庫一掃が目的であるが、消費者の購買力が弱まっているため、売上は期待以下にしかならない」と語った。
さらに、割引率が大きく見えるように価格を水増しした後に値引きを行う店舗が存在することが消費者の信頼を損ねている。
新型コロナウイルス禍以降、オンラインショッピングが急速に普及し、消費者の購買行動は大きく変化した。
ShopeeやLazada、TikTokShopなどのプラットフォームは年間を通じて頻繁にセールを実施しており、消費者にとってブラックフライデーの特別感は薄れている。
特にTikTokShopのライブ配信でのリアルタイムセールは多くの支持を集めており、ある消費者は「ライブ配信の割引は実感が伴う。ブラックフライデーの割引が『偽のセール』に見えることもある」と話す。
ベトナム経済の減速や賃金の伸び悩みも購買行動に影響を与えており、労働者層を中心とした収入減が影響して従来のような衝動買いが減少している。
さらに、一部の消費者は「見かけ倒し」のセールに失望し、慎重な購買姿勢を取るようになった。「広告通りの割引率でない場合が多い」と指摘する声も多く、信頼回復が課題となっている。
商業施設やオンラインショップの経営者は、年末商戦を通じた売上回復に期待を寄せているが、結果は厳しい状況である。
あるアパレルブランドの代表は「セールを拡大しても購買力は例年を下回る。オンラインでの販売が多少好調であるが、全体の売上は依然低迷している」と述べている。
ブラックフライデーの「特別な日」としての価値が薄れつつある現状、小売業界は新たな戦略を求められている。
消費者の信頼を回復し、購買意欲を刺激するには、単なる価格競争に頼らず付加価値を創出することが鍵となる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。