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ベトナム都市部の新たな食習慣、出前アプリによる家庭料理の変化
<写真:tuoitre.vn>
近年、ベトナムの都市部で食事注文アプリの利用が急増しており、家族での食事の形態に変化をもたらし、特に若者や少人数世帯で日常的に活用されている。
ホーチミン市や周辺地域では、このトレンドが新たな食文化を形成しつつある。
ホーチミン市12区在住のハンさん(28)は3つの食事注文アプリを活用し、日々の食事を注文している。
ハンさんはブンダウ(揚げ豆腐の麺料理)、ブンボー(牛肉麺)、コムガー(鶏ご飯)などを頻繁に注文しており、「伝統的な家庭料理を作る手間を省きながら、多様な料理を楽しめる」と語る。
注文の利便性も大きな要因である。多くの店舗は注文額が一定以上の場合に配送料を無料とし、短時間で配送を完了する。
さらに、最近では独創的なメニューを提供する店も増加しており、例えばバターガーリックソースの貝料理やタマリンドソースのウズラ卵炒めなどが人気を集めている。
ハンさんは仕事から早く帰宅した日には母親と一緒にアプリで料理を注文することがある。料理の選択肢はブンダウやミークアン(中部の麺料理)、バインセオ(ベトナム中部風お好み焼き)など多岐にわたる。
ハンさんによると、アプリでの注文は1回10万ドン(約587円)前後で、食材を買って家庭料理を作るコストとほぼ同じである。
また、ハンさんの家庭では、週末に親戚が集まる際に母親が大掛かりな料理を準備することが多い。そのため、平日は母親に負担をかけないよう注文で済ませることが多くなったという。
同様に、隣接するトゥードゥック市在住のニーさん(27)もアプリを積極的に利用している。
ニーさんは仕事柄忙しく、夕食のみ自宅で取る生活を送っている。伝統的な家庭で育ったニーさんの家族は外食や注文に消極的であるが、週末や特別な日にアプリを利用して特別な料理を楽しむこともある。
しかし、ニーさんは「アプリ利用は便利であるが、栄養や衛生面での不安があるため、頻繁に利用するべきではない」と指摘する。
食事注文アプリの利用においては、以下のような工夫が推奨されるという。
- 食材やトッピングが詳細に記載されている店舗を選ぶ。
- 実際の料理写真が掲載されている店舗を重視する。
- 配送距離が近く、送料が無料になる店舗を利用する。
- 顧客レビューが多い店舗を選ぶ。
また、注文時間も重要である。ハンさんは混雑する昼や夕方の時間帯を避けて注文することで、スムーズな配送を心がけている。
アプリによる食事注文は、特に都市部の若い世代や核家族で生活スタイルの一部として定着しつつあるが、利便性と多様性を提供する一方で、栄養面や衛生面の課題も指摘されている。
こうした新たな文化がベトナムの家庭の食卓にどのような影響を与えるか、今後も注目される。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。