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ベトナム株式市場の外国人投資家、過去最大規模で資金引き上げ
<写真:kinhtedothi.vn>
2024年、ベトナム株式市場において外国人投資家の株式売り越し額が約93兆ドン(約5727億4800万円)に達し、前年比で約4倍に拡大した。
この規模は市場史上最大であり、VN-Indexが12%以上の上昇を見せたにもかかわらず、外国人資金の大規模な流出が市場に大きな影響を及ぼした。
2024年末時点での外国人投資家によるベトナム株式の保有率は全市場で12.8%、ホーチミン証券取引所(HoSE)では16.8%にまで低下し、過去10年で最低水準となった。
2020年初頭にはHoSEで21%を占めていた保有率からの大幅な減少が見られる。
外国人投資家の売り越しが特に目立ったセクターは、不動産、銀行、食品、鉄鋼、証券、ITなどであった。
一方で物流・倉庫、小売、造船、製紙、水事業など一部のセクターでは買い越しも確認された。
個別銘柄ではMWG(モバイルワールド)やSTB(サコムバンク)が2023年の売り越しから買い越しに転じたが、多くの大型株は依然として売り圧力の影響を受けている。
国内投資家の積極的な買い需要により、FPTやHDB、LPBなど一部の銘柄は価格上昇を維持したものの、外国人投資家による売りが多くの銘柄の値下がりを招いている。
この外国人資金の流出は、フロンティア市場や新興市場の魅力が先進国市場に比べて低下したことが背景にある。
Fiingroupのデータによれば、2020年以降の過去5年間における外国人投資家の累計売り越し額は167兆2000億ドン(約1兆287億4320万円)であり、これは2007年から2019年までの13年間の買い越し額を大きく上回る規模である。
2025年以降の見通しについては、外国人投資家による売り越しが年初も続いているが、多くの証券会社が年後半にかけて資金流入の改善を予測している。
米国やEUの金融緩和政策の継続や米ドルとベトナムドンの金利差縮小がその要因となる見込みである。
さらに、新取引システム(KRX)の導入やベトナム株式市場の格上げが市場の魅力を高め、ETFを通じた短期資金の流入を促す可能性が指摘されている。
現在、VN-IndexのPER(株価収益率)は東南アジア諸国の平均を下回る一方で、高いROEや利益成長の見通しが魅力的な投資機会を提供しているとの評価もある。
外国人資金の流出は市場に大きな課題をもたらしているが、国内需要の強さや政策支援を背景に安定した成長が期待されている。
市場格上げと技術的な改善が進む中、今後の資金動向に注目が集まる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。