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ベトナムのリゾート不動産、一部地域で供給が回復傾向

〈写真:Realtimes.vn〉
ベトナムでリゾート向け不動産の供給が一部地域で回復の兆しを見せており、DKRAベトナムの最新報告によれば、2025年1〜3月期における新規供給が前年同期比で8〜18%増加した。
しかし、需要は依然として低調な状況である。
同四半期に市場に供給された新築物件は1万667戸で、前年同期比7%の増加となった。中でもリゾート向けヴィラは150戸以上が新規供給され、前年同期比で57%の増加を記録した。
地域別では中部および南部が全体の76%以上を占めている。リゾート用タウンハウスについては3500戸以上が流通したが、その多くは既存在庫の放出によるものであった。
コンドテル(ホテル型マンション)に関しても供給は小幅に増加したが、こちらも在庫中心の展開となっている。
一方、取引数は623戸となり、前年同期の約4倍に増加した。コンドテルおよびヴィラの吸収率は6〜10%と改善し、前年の1〜3%からの上昇が見られた。
ただし、需要の中心は法的整備が整い、施工が順調に進む新規案件に集中しており、価格帯としてはヴィラが1戸100億ドン(約5572万円)以下、コンドテルが30億ドン(約1672万円)以下の物件が主流となっている。
同様の傾向はベトナム不動産仲介協会(VARS)も報告しており、同期間の新規供給は前四半期比で2.4倍、前年同期比では3倍に達した。
特にカインホア省の低層住宅プロジェクトが全体の半数以上を占めている。一方で、2022年同期比では依然として供給量が18%にとどまっており、回復は道半ばであることがうかがえる。
このような回復の背景には観光業の復調がある。ベトナム国家観光局によると、2025年初頭の3カ月間に訪越した外国人観光客は600万人を超え、四半期ベースで過去最高を記録した。
観光収入も前年同期比で18%増加し、21兆5000億ドン(約1198億円)に達している。特にハノイ市とホーチミン市に加えて、カインホア省、ダナン市、キエンザン省など地方都市での成長が顕著であった。
しかしながら、こうした回復傾向は地域限定的であり、法的課題や収益性の低さといった構造的な問題が依然として存在している。旧来型プロジェクトの多くは在庫のままとなっており、販売が進まず放置されているケースも少なくない。
専門家によれば、2025年のコンドテル市場においては供給・需要ともに緩やかな改善が見込まれる一方で、投資家の信頼回復にはなお時間を要する。これに対応するため、開発業者は販売促進策として割引や金利支援、元本返済の猶予といった施策を強化する構えである。
ベトナムのリゾート不動産市場は部分的な回復を見せつつあるが、本格的な成長軌道に乗るためには、法制度の整備や収益モデルの見直しが不可欠である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。