おすすめのプロモーション
喫煙の経済的・健康的損失、年間100兆ドン規模に拡大

<写真:chinhsachcuocsong.vnanet.vn>
ベトナムは喫煙者数が1500万人を超える世界有数の喫煙大国であり、保健省の統計によれば、国内における年間のたばこ購入費は約49兆ドン(約2719億円)に達している。
ベトナムではたばこの価格が極めて低いため、特に若年層や低所得層において喫煙が広く普及しているという。
国内には40以上のブランドが存在し、その多くが1箱1万ドン(約56円)未満という安価で販売されており、ベトナムはアジア太平洋地域の中でもたばこ価格が最も安い国の1つに数えられている。
喫煙による健康被害は深刻であり、世界保健機関(WHO)はたばこが癌や心疾患、呼吸器疾患など25種類以上の疾病の原因であると警告している。
2022年には喫煙に関連する死亡者数が10万3300人に上り、そのうち8万4500人が直接的喫煙によるもので、1万8800人が受動喫煙によるものであった。
経済的損失も無視できない。ベトナム経済保健学会の推計によれば、たばこに起因する治療費や労働損失を含めた年間の社会的費用は108兆ドン(約5994億円)に及ぶ。
これは国内総生産(GDP)の約1.14%を占め、たばこ税収の5倍に相当する規模である。
現在のたばこ税率は出荷価格の75%にとどまっており、実際の小売価格に対する抑制効果は限定的である。
このため専門家らは、絶対額課税を導入する混合課税方式への転換と、段階的な税率の引き上げを提言している。
世界保健機関は2026年から2030年にかけて、1箱あたり5000〜1万5000ドン(約28〜83円)の絶対額課税を加えることを推奨しており、これにより小売価格に占める税率を65.3%まで引き上げることが可能となる。
こうした税制改革により、政府は2030年までに成人男性の喫煙率を36%未満、女性は1%未満に抑えるという国家戦略の実現を目指している。
現状を放置すれば、今後10〜20年のうちに喫煙による長期的な健康被害が顕在化し、国家の保健医療および経済的負担が一層深刻化することが懸念される。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。