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高いベトナムの喫煙率、年間31兆ドンをたばこで消費
<写真:tytphuongtambinh.medinet.gov.vn>
たばこの喫煙は健康だけではなく、経済や社会にも深刻な影響を与えており、ベトナムではたばこ消費に毎年約31兆ドン(約1954億2400万円)が費やされているとの報告がある。
ホーチミン市疾病管理センター(HCDC)のディン・ティ・ハイ・イエン医師によると、たばこは健康被害を引き起こすだけではなく、経済的損失にも大きく寄与している。
1人の喫煙者が1日に約5000~6000ドン(約31〜37円)をたばこに使う場合、年間で約200万ドン(約1万2608円)を消費する計算になる。
2015年に実施された成人喫煙に関する国際調査によれば、ベトナムには約1500万人の喫煙者が存在し、全国的なたばこ購入費用は年間約30兆ドン(約1891億2000万円)に達すると試算される。
この経済的負担はたばこの購入費用に留まらず、喫煙関連の医療費、労働力の損失、早期死亡による社会的コストも含まれている。
また、副流煙による非喫煙者への健康被害も大きな問題である。
イエン医師はたばこがもたらす健康と経済への影響が個人のレベルを超え、社会全体に及ぶ現状を警告している。
さらに、ベトナムのたばこ税率は現在小売価格の36%で、世界平均の62%やWHOの推奨する最低75%を大きく下回る。
この低い税率がたばこの安価な価格を支え、若年層や低所得層の喫煙を促進している一因とされる。
こうした状況を改善するため、保健省は2026年までにたばこ1箱あたり最低5000ドン(約31円)の絶対税を導入し、2030年までに1万5000ドン(約94円)に引き上げる方針を提案している。
現行の比例税率75%も維持される予定である。
この税制改革は若者の喫煙を抑制し、禁煙への動機付けを強化することを目的としている。
たばこがもたらす経済的損失と健康被害の削減は、ベトナム全体で取り組むべき喫緊の課題である。
税制改革や禁煙支援プログラムを通じ、社会全体でたばこ依存からの脱却を目指す努力が急務とされている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。