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電子決済取り止めに警鐘、悪質な場合は刑事訴追も

<写真:vietnamnet.vn>
ハノイ市およびホアビン省を管轄する第I税務署は、現金のみの支払いを求める店舗が増加していることを受け、6月4日夜に警告を含む公開書簡を発出した。
同書簡では「現金のみ」や「あいまいな振込名目(例:「借金返済」「コーヒー代」「送料」など)」による取引が、収入の隠蔽および脱税の兆候と見なされる可能性があると指摘されている。
税務当局によれば、売上に対する納税義務は、現金か振込かにかかわらず全額に対して課せられる。
また、こうした慣行はキャッシュレス社会の推進という国家方針にも逆行する行為であり、悪質な場合には刑事責任を問われる可能性があると警告している。
この背景には6月1日より施行された新たな税制度がある。
これにより年間売上が10億ドン(約548万円)以上の個人事業者は、従来の「定額課税」から「実際の売上に基づく課税」への移行が義務づけられた。
その結果、多くの小規模事業者が電子インボイスの発行や、税務当局と接続されたレジの導入を求められる状況となっている。
しかし、現場では制度変更に伴う混乱が顕在化しており、高齢の事業者を中心に、機器操作の難しさや初期導入コストの負担が大きな障害となっている。
ハノイ市やホーチミン市の伝統市場では、依然として多くの事業者が電子インボイスの導入に苦慮しており、ソフトウェアの不具合や法的手続きの不明確さがその一因となっている。
加えて、税制変更により仕入れにかかる税の控除ができない「直接課税方式」が導入されたことで、流通段階ごとに税が重複して課される「税の二重課税」への懸念も高まっている。
このため、商品の販売価格には税負担が上乗せされ、最終的には消費者がその影響を受ける構図が生じている。
税務当局は個人事業者に対し、合法的かつ透明な取引を行い、正確な売上申告を行うように呼びかけている。
また、事業者の企業化への移行を支援する方針を示しているが、税制の急激な変更と、それに対応する支援体制の不備が多くの事業者に混乱をもたらしているのが現状である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。