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出生率が過去最低水準を記録、成長戦略の転換が急務

<写真:vietnamnet.vn>
ベトナムは現在、急速な少子高齢化の波に直面しており、持続可能な経済成長を実現するためには、成長戦略の転換と早急な対策が求められている。
7月11日に開催された「世界人口デー」の記念式典において、保健相のダオ・ホン・ラン氏は、同国の出生率が過去最低水準に落ち込み、男女の出生比における不均衡も深刻化していることを明らかにした。
2024年の総出生率は、女性一人あたり1.91人であり、2022年の2.01人からさらに低下している。
一方、平均寿命は74.7歳と高所得国に近づいているが、健康寿命はおよそ65歳にとどまっており、高齢者が10年以上にわたり病気を抱えて生活する現実が浮き彫りとなった。
人口動態の変化は今後さらに加速する見通しであり、2045年には60歳以上の人口が2640万人に達すると予測されている。
これに対し、生産年齢人口はすでに減少傾向にあり、労働力の確保と経済成長の持続に向けては、生産性の飛躍的向上が不可欠となっている。
ハーバード大学のドワイト・パーキンス教授およびフルブライト公共政策大学のヴ・タイン・トゥ・アイン博士によれば、国内総生産(GDP)を年間5%成長させるためには、全要素生産性(TFP)の年平均成長率を2.4%以上に保つ必要があるという。
政府は現在、「人口法」および「2026〜2035年保健・人口・開発国家目標プログラム」の策定を進めており、少子化対策として出産手当や育児支援、社会住宅の優先提供などを盛り込む予定である。
また、男女の出生比の不均衡を是正するため、娘が2人いる家庭に対する財政支援策も検討されている。
高齢化対策としては、高齢者福祉施設の整備や老年医療に従事する専門人材の育成にも力を入れている。政府は2025年10月の国会において、関連法案の提出と可決を目指している。
将来の高齢社会に備え、労働・健康・貯蓄の三位一体による包括的支援が不可欠である。
専門家は「今すぐに準備を始めなければ、将来の社会保障制度の維持は困難になる」と警鐘を鳴らしている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。