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ホーチミンの地盤沈下が深刻化、年間最大8cmに達する
<写真:tuoitre.vn>
ホーチミン市における地盤沈下の進行が深刻化しており、とりわけサイゴン川沿いおよび南部地域では、年間最大8cmもの沈下が観測されている。
この速度は海面上昇の約2倍に達しており、専門家はこのままでは「ジャカルタのように都市機能が失われる恐れがある」と警鐘を鳴らす。
ホーチミン市南部の旧ビンタン区やタンタオ工業団地などでは、過去10年間で累計73cmを超える沈下が確認されている。
主な原因としては、地下水の過剰な汲み上げ、密集する高層建築物の建設、都市化による雨水排水機能の低下などが挙げられる。
市民の間では「年々洪水被害がひどくなっている」「住宅の地盤が下がり、配管が地表に浮き出てきた」といった声も多く聞かれる。
地盤沈下に加え、気候変動の影響による高潮や集中豪雨の頻発も事態を悪化させている。
チャンスアンソアン通りやグエンヴァンリン通りなどの主要幹線道路では、慢性的な冠水が常態化しており、市民生活や交通機能に深刻な影響を及ぼしている。
この状況に対処するため、ホーチミン市は総額10兆ドン(約558億4000万円)規模の高潮対策プロジェクトや排水インフラの整備を進めている。
しかしながら、これらの施策は依然として計画全体の実施率が低く、十分な効果を発揮していないのが現状である。
都市の開発戦略の見直しを求める声も高まっており、住民や専門家からは「地盤の弱い南部地域ではなく、ホックモン郡やクチ郡といった地盤の安定した北部地域へと開発の軸足を移すべきである」とする意見が相次いで寄せられている。
ホーチミン市当局は、2025年までに地下水の使用量を1日あたり10万㎥以下に抑える方針を掲げており、現時点で75%の削減を達成している。
しかし、抜本的な対策としては、地盤沈下リスクと連動した都市全体の開発戦略の再構築が急務である。
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