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北西部の「黄金の稲穂」観光が盛況、週末は宿泊施設が満室に

<写真:dantri.com.vn>
ベトナム北西部に位置するラオカイ省のムーカンチャイおよびハザン省のホアンスーフィーでは、稲穂が黄金色に染まる季節「ムア・ヴァン(黄金の季節)」を目当てに多くの観光客が訪れており、週末を中心に宿泊施設が満室となる盛況ぶりを見せている。
宿泊予約プラットフォーム「Mustgo」によれば、ムーカンチャイでは9月の宿泊稼働率が85%に達し、特に週末はほぼすべての客室が埋まっている状況にある。
2025年は田植え時期が地域や場所によって異なったため、同じ丘であっても緑、黄色、収穫済みといった多様な風景が楽しめ、この観光シーズンは10月末まで続く見通しであるという。
ホアンスーフィーでも状況は同様であり、国の文化遺産に指定されている棚田が高い人気を集めている。
9月から10月にかけての週末はすでに予約が埋まっており、観光客の多くは家族連れや若者グループである。
特に、部屋から稲田を望むことが可能な宿泊施設に高い需要が集まっている。
この「黄金の季節」の人気は、タインホア省のプールオンやソンラ省のタースアといった他地域にも波及しており、特に週末は宿泊施設の確保が困難となっている。
ハノイ市から訪れた旅行者によれば、人気の宿泊施設を予約するには1カ月以上前からの手配が必要とのことである。
この時期、国内の旅行会社では北西部の稲作地域を巡るツアーが主力商品となっており、9月から10月にかけての国内ツアー販売の約6割を占めている。
主な顧客層は、自然体験を重視する家族連れや写真撮影を趣味とする若者、さらには地元文化への関心が高い中高年層など、幅広い層に及ぶ。
また、国際的な観光需要も高まりつつあり、外国人観光客を対象としたフォトツアーを提供する企業「Vietnam In Focus」によれば、西北部の収穫期は「ベトナムで最も魅力的な時期の1つ」とされており、すでに2026年向けの予約も開始されている。
一方で、観光客の集中による環境への負荷やサービス品質の低下といった課題も顕在化しており、観光業界では新たな観光地の開発や訪問先の分散化が進められている。
中でもライチャウ省のような、まだ観光開発が未整備の地域への関心が高まりつつある。
「ムア・ヴァン」は、いまや単なる観光資源にとどまらず、毎年多くの人々が楽しみにする季節の風物詩として定着している。
その経済効果の一方で、持続可能な観光を実現するための意識と取り組みが、今後一層求められている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。