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台風マットゥモによる豪雨と洪水、被害額が17兆ドンに迫る

<写真:nongnghiepmoitruong.vn>
ベトナム農業・環境省は15日、台風マットゥモ通過後の豪雨および洪水による被害額が約16兆9200億ドン(約971億8848万円)に達したと政府に報告した。
被害が最も深刻であったのはタイグエン省であり、同省における被害額は12兆2000億ドン(約700億7680万円)を超えた。
今回の災害では18人が死亡し、16人が負傷した。犠牲者の多くは、タイグエン省およびバクニン省で発生した洪水に巻き込まれたものである。
台風マットゥモ自体は中国・広西チワン族自治区に上陸したが、その後の気圧配置の影響により、ベトナム北部では局地的な集中豪雨が発生し、ランソン省、カオバン省、ハノイ市を含む複数の地域が被災した。
タイグエン省では降雨量が300~400mm、局地的には560mmを超え、各地の河川で記録的な水位上昇が観測された。
カウ川、トゥオン川、カー・ロー川、チュン川などで過去最高水位が更新され、計9カ所の水位観測所において歴史的記録を超えた。
洪水の影響により、全国で23万9000戸以上の住宅が浸水し、そのうち約20万戸がタイグエン省に集中した。
バクニン省でも2万戸を超える住宅が浸水被害を受けた。加えて、3万3600haの農地と1500haの果樹園が冠水し、約1300万羽の家禽および1万9200頭の家畜が死滅または流出するなど、農業・畜産分野への被害も甚大であった。
ランソン省では、小型水力発電所「バックケー1」が洪水の急増により決壊し、800世帯以上が緊急避難を余儀なくされた。
また、北部各地では堤防の決壊や土砂崩れが相次ぎ、道路2100カ所以上が通行不能となり、鉄道路線4本が運休した。さらに、50万世帯以上が停電に見舞われた。
農業・環境省は、今回の災害が異常気象による予測を上回る激しさであったことを認めるとともに、極端な豪雨や歴史的洪水に対する予測精度の低さ、地方へのアクセスの困難さ、災害時の指揮系統の遅れ、インフラの耐災能力不足など、複数の課題を指摘した。
一方、豪州、韓国、EU、カナダなど各国政府機関および国際NGOから、合計550万ドル(約8億1047万円)相当の人道支援が寄せられており、飲料水や生活物資の供給がすでに開始されている。
2025年に入ってから、ベトナムでは11の台風、4つの熱帯低気圧を含む計20件の自然災害が発生しており、死者および行方不明者の合計は241人にのぼる。
総被害額は53兆8000億ドン(約3090億2720万円)に達しており、これは前年同期比で約6割に相当する規模である。
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