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ホーチミンのバインミー食中毒事件、食品安全体制の脆弱性が露呈

2025年11月20日(木)07時00分 公開
ホーチミンのバインミー食中毒事件、食品安全体制の脆弱性が露呈

<写真:tuoitre.vn>

 

ホーチミン市でバインミーにより300人以上が集団食中毒を発症するという深刻な事案が発生し、ベトナムを象徴する国民食が引き起こした今回の事件は、同国における食品安全管理体制の脆弱さを改めて浮き彫りにした。

 

専門家の多くによれば、問題の根本的な原因は販売店にとどまらず、原材料の供給体制にまで及ぶ。

 

バインミーに使用されるパテやハム、バターなどの食材は、大半が外部の製造業者から仕入れられており、販売者自身がその製造・加工の全工程を把握・管理することは困難である。

 

そのため、保存状態や消費期限の管理が不十分であった場合、食中毒のリスクは飛躍的に高まる。

 

実際、ベーカリー業者や販売者の証言によれば、コスト削減を目的として大量に仕入れた食材を長期保存するケースが多く、冷蔵・冷凍保存が適切に行われていない場合がある。

 

また、露店や小規模店舗においては、包装や成分表示のないまま販売される商品も少なくなく、消費者の安全が軽視される傾向がある。

 

これに対し、大手の食品企業や輸出業者では、厳格な品質管理とトレーサビリティの確保が徹底されており、包装、消費期限、保存温度などに関しても厳密な基準に基づいて管理が行われている。

 

工場レベルでの供給体制の透明性と、製造者としての責任の明確化は、類似の被害を未然に防ぐ上で不可欠である。

 

消費者保護団体は、万が一に備えてレシートや購入証明を保存するように呼びかけており、消費者側の意識の低さもまた、食品安全問題の根深い要因であると警鐘を鳴らしている。

 

ホーチミン市食品安全管理局は、定期的な検査の実施に加え、違反の疑いがある場合には抜き打ち検査も行っていると説明している。

 

特にパテや肉加工品、酢漬け野菜など、冷蔵保存が必須とされる食材に関しては、リスクが高いため重点的な監視が求められている。

 

バインミーは国内外の観光客からも高い評価を受けているベトナムの象徴的な料理であるだけに、今回の事件は単なる健康被害にとどまらず、観光業や国際的なブランドイメージにも深刻な悪影響を及ぼしかねない。

 

今後は、販売店のみならず原材料の製造業者に対する監視体制の強化と、違反に対する厳正な処分が求められる。

 

また、関係機関には、事後対応に終始するのではなく、予防的な施策の充実が急務である。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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