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イタリア生まれのアフォガート、ベトナムで若者を魅了
<写真:baomoi.com>
エスプレッソを冷たいアイスクリームに注ぎかけて楽しむ、イタリア発祥のデザート「アフォガート」が、現在ベトナムで若者を中心に人気を博している。
動画投稿アプリ「TikTok」での拡散が火付け役となり、ホーチミン市やハノイ市の一部カフェでは販売数を制限せざるを得ないほどの反響を呼んでいる。
アフォガート(Affogato)は、イタリア語で「溺れた」という意味を持つ。
熱々のエスプレッソを冷たいジェラートに注ぐことで、温度差と味覚のコントラストが際立つ。
イタリアの観光情報サイト「Visititaly.eu」によれば、伝統的なアフォガートは、バニラ風味のジェラートに1ショットのエスプレッソを合わせた、極めてシンプルな構成である。
その起源は、第二次世界大戦後の1950年代にさかのぼる。
もともとはバーで即席の甘味として提供されていたが、1980年代には高級レストランのデザートとしても採用されるようになった。
近年では、アメリカ、オーストラリア、日本、韓国などにおいても多様なアレンジが登場し、世界各地で広く楽しまれている。
ベトナムでは、2015年頃からスペシャルティコーヒー業界を通じて徐々に知られるようになった。
地元の味覚に合わせ、ココナッツアイスを使用したり、ベトナム式ロブスタコーヒーを用いたバリエーションも登場している。
2025年10月には、SNS上での急速な拡散を契機として、一般層にも広く浸透した。
ハノイのカフェ「PaiOi Café」では、手作りのジェラートを使用することで品質を保ちつつ、若年層の感性に応える器や盛り付けの工夫も施している。
価格は一杯あたり9万5000〜10万5000ドン(約580〜640円)と、やや高価格帯であるにもかかわらず、その人気は衰える気配を見せない。
アフォガートの再評価は、欧州のバーカルチャーに根ざしたシンプルなデザートが、SNS時代において視覚的かつ体験的なコンテンツとして再解釈された好例である。
伝統と現代性を兼ね備えたこの一杯は、ベトナムの都市部において、新たな食文化として静かに定着しつつある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。