おすすめのプロモーション
ホーチミンで豚肉を牛肉に偽装、有害化学物質使用で7人起訴
<写真:tuoitre.vn>
ホーチミン市警察は22日、豚肉を化学処理して牛肉に偽装し、飲食店などに販売していた食品偽装事件で、関与した7人を起訴したと発表した。
摘発された2つの拠点からは、加工済みの「偽牛肉」数百kgに加え、着色に用いられた化学薬品や加工用の器具類も押収された。
捜査当局の調べによれば、容疑者らは2025年2月以降、豚肉を豚の血液および工業用保存料である亜硫酸ナトリウムに浸し、見た目や色を牛肉に似せた上で冷凍保存した。
その後、ホーチミン市内および周辺地域の飲食店約75軒に対し、1日あたり約600kgを供給していた。
供給価格と仕入れ価格との差額により、1kgあたり1万5000〜4万ドン(約90〜240円)の不正な利益を得ていたとみられる。
同様の偽装事案は他地域でも発覚しており、ハノイ市では水牛肉に脂肪模様を模倣する薬剤を注入し、高級和牛「Wagyu」と偽って販売していた事件も摘発されている。
このケースでは、約14トンに及ぶ偽装肉が市場に流通し、DNA鑑定の結果、押収された肉の約83%が水牛肉であることが判明した。
食品工学の専門家であるグエン・ズイ・ティン元准教授は「問題の本質は肉の種類ではなく、使用された化学物質にある」と指摘する。
特に今回使用された亜硫酸ナトリウムは、ベトナム国内では肉類への使用が禁じられており、人体に有害な影響を与える可能性があるという。
同物質は酸化防止や防腐を目的として一部の農産物に対して限定的な使用が認められているものの、吸入による呼吸器系の刺激、アレルギー反応、さらには肝臓や腎臓への障害を引き起こすおそれがある。
特に高齢者や妊婦、基礎疾患を抱える人々にはより深刻な健康リスクをもたらす。
消費者への注意喚起として、ティン氏は「牛肉本来の粗くしっかりとした繊維構造、均一で濃い赤色、洗浄しても色が変化しないこと」などを本物と偽物を見分ける手がかりとして挙げた。
一方で、化学処理による偽装肉は、不自然な色合いであるほか、水洗いによって色が落ち、内部の豚肉の色が露出することがあるという。
当局は現在も捜査を継続しており、偽装肉の流通経路や他の関係者の関与についても調べを進めている。
食品偽装事件が相次ぐ中で、消費者の健康と信頼を守るため、規制強化とともに周知啓発活動の重要性が一層高まっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。