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ホーチミンの新たな観光名所?初のフォー博物館が開館
<写真:thanhnien.vn>
ベトナム南部最大の都市であるホーチミン市において、同国を代表する国民食フォーをテーマとした初の専門博物館が開館する。
フォー博物館は、ホーチミン市中心部のグエンタイホック通りとファングーラオ通りの交差点に位置し、2026年1月中旬の一般公開を予定している。
創設者兼館長のレ・ニャット・タイン氏は23日、施設は現在最終仕上げの段階にあり、外国人観光客が増加する年始の繁忙期に合わせて開館する計画であると明らかにした。
周辺にはブイビエン通りやベンタイン市場など主要観光地が集積しており、観光拠点としての立地条件にも優れている。
博物館は延べ床面積約800㎡、地上3階建てで構成され、所要時間60〜75分の周遊型ツアーとして設計されている。
文化展示、映像、体験型コンテンツ、飲食、物販を一体化させた点が大きな特徴である。
見学は最上階から始まり、来館者は約10分間の短編映像を通じて、北部・中部・南部の三地域におけるフォーの成立と発展の歴史を学ぶ。
映像では100年以上にわたるベトナムの風景や生活文化も併せて描写される。
続く展示空間では、バッチャンやホイアンなど各地の陶磁器、調理器具、芸術作品など計209点が公開される。
20世紀初頭の屋台を再現した職人ヴァン・クー氏の担ぎ売りフォーは、象徴的な展示の1つである。
同じフロアには、原材料や調理工程を学べる体験型ゲームも設置され、フォーが無形文化遺産とされる理由を理解できる構成となっている。
展示テーマは2〜3カ月ごとに更新され、初回は「稲作文化」を切り口に、米粒から食卓に至るまでの過程を紹介する予定である。
2階では、職人による米麺作りの実演が行われ、麺の製造工程から具材準備までを間近で見学できる。
大型スクリーンにはハロン湾や北西部の茶畑などベトナム各地の景観が映し出され、名所の中でフォーを味わう演出が施される。
1階はフォー関連の土産物や地域特産品の販売スペースとなっており、ツアーの締めくくりとして特製フォーが提供される。
ツアー料金は大人75万ドン(約4490円)、子ども50万ドン(約2995円)で、入館料、記念品、特製フォー1杯が含まれる。
ツアーに参加しない来館者も館内でフォーを単品注文でき、価格は12万5000ドン(約750円)から、特製フォーは26万ドン(約1555円)に設定されている。
提供されるフォーは、北部・中部・南部の風味を融合しつつ南部向けに調整したスープを使用し、米麺はトゥードゥック地区の伝統工房から調達される。
牛肉はハノイ市のバヴィ地区で日本式技術を用いて飼育されたものを採用する方針である。
タイン氏は、横浜のラーメン博物館を訪れた経験が構想の原点であると語る。
世界的な評価を受けるフォーについても、その文化的・歴史的背景を体系的に伝える場が必要だとし、フォーの物語を国際社会に発信する拠点としたいとの意欲を示している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。