【2025年版】ダナンの五行山(マーブルマウンテン)|行き方や所要時間などを紹介

日本人の間でも年々注目度が高まっているベトナム中部のリゾート地・ダナン。観光名所が点在するこの街で、特に外せないスポットの一つが「五行山(マーブルマウンテン)」です。
五行山は多くの観光ガイドブックやWebサイトで紹介されており、ダナン初心者からリピーターまで、多くの旅行者に愛される定番観光地です。
この記事では、五行山が人気の理由から歴史、アクセス方法、所要時間、服装のポイントまで、2025年の最新情報で詳しく解説します。
五行山(マーブルマウンテン)とは?
五行山は、ダナン市中心部からホイアン方面へ車で約20分ほどの場所に位置する名所。全体が大理石でできた5つの山から構成されており、パワースポットとしても人気を集めています。
美しい洞窟や仏教寺院、登山道、展望台が点在し、自然と信仰が融合した神秘的な空間が広がります。大理石(マーブル)でできているため、英語では「マーブルマウンテン(Marble Mountains)」とも呼ばれています。
五行山はなぜ有名?なぜ人気?
五行山が観光客に人気な理由は、パワースポットとしての歴史に加え、ダナン市街やビーチを一望できる展望台の絶景にあります。
洞窟寺院の神秘的な雰囲気はベトナム国内でも屈指の霊的スポットとされ、年間を通して多くの参拝者が訪れます。
また、石階段を登った先に見られる壮大な景観と、大理石の美しさがSNS映えすることから、近年は若年層の観光客からも注目を集めています。
五行山の由来
<グエン王朝 第2代皇帝のミンマン帝>
「五行山」という名前は中国古代の思想「陰陽五行説」に由来しています。
この思想は世の万物が「火・水・木・金・土」の5つの要素で成り立つとするもので、それぞれを象徴する5つの山:
- ホアソン(火山)
- トゥイーソン(水山)
- モックソン(木山)
- キムソン(金山)
- トーソン(土山)
から成り立っていることが由来です。
この名称は19世紀にベトナム最後の王朝「グエン王朝」の第2代皇帝ミンマン帝によって命名されたと伝えられています。彼は中国の影響を強く受けた思想家でもあり、陰陽五行説を取り入れたとされています。
なお、五行山の大理石は装飾品や仏像制作にも使われるほど高品質であり、山全体が「マーブル(大理石)」でできているという点も注目されています。
五行山の歴史
五行山の起源は、2世紀後半にまで遡ります。2世紀後半というと日本では邪馬台国の卑弥呼が擁立された弥生時代後期の頃です。
ダナンが位置するベトナム中部沿岸地域には、インドネシアから北上してきたチャム族が築いたチャンパ王国が2世紀後半から長きに渡って存在していました。
そのため、五行山の洞窟内ではチャム族が信仰していたヒンドゥー教特有の文様や、神様のレリーフが施された祭壇などを見ることができます。
その後、ベトナムがグエン王朝によって統一されると、仏教寺院が建設され、中国様式の影響を受けた装飾が加えられました。
また、五行山はベトナム戦争中に隠れ家としても使われ、フィエンコ洞窟などには当時の空爆の跡が現在も残っています。信仰・歴史・戦争の痕跡が共存する、非常に稀有な場所です。
五行山の場所
五行山は、ダナン市街地の南東、ビーチリゾートエリアとホイアンのちょうど中間に位置します。Google Mapsなどで「マーブルマウンテン」と検索するとすぐに見つけられます。
住所:81 Huyền Trân Công Chúa, Hoà Hải, Ngũ Hành Sơn, Đà Nẵng 550000
所要時間
五行山は5つの山全てに洞窟とトンネルがありますが、観光の中心は最も大きな「トゥイーソン(水山)」です。
この山には整備された観光ルートがあり、所要時間は1時間〜4時間程度です。トゥイーソンには観光スポットが15箇所ありますが、全てを見て回るとかなりの体力と時間を使います。
- トゥイーソン内の主要ポイントのみ観光する場合:約1~2時間
- トゥイーソン内の全てのスポットを観光する場合:約4時間
トゥイーソンには、入口付近や山中にマップの看板がいくつかあります。そのため、登りながらマップを見て自分の体力と相談して、観光する場所を決めるのがおすすめです。
営業時間
- 営業時間:7:00~17:30(年中無休)
早朝から観光すれば、比較的涼しい時間帯に散策できるためおすすめです。
入場料
五行山への入場にはチケットを購入する必要があります。入場チケット料金に加えて、エレベーターの利用とアンフー洞窟への入場には別料金がかかります。
帰り道だけエレベーターで下ることもできます。また、アンフー洞窟の入口は駐車場に近い場所にあります。
他のスポットとアンフー洞窟の両方を見て回るほど、体力や時間に余裕がない方は、気軽にアンフー洞窟だけを観光するのもオススメです!
- 入場チケットのみ:4万ドン(約240円)
- 入場+エレベーター:5万2000ドン(約310円)
- エレベーター利用料
片道:1万5000ドン(約90円)
往復:3万ドン(約180円) - アンフー洞窟:2万ドン(約120円)
ダナンからの行き方
五行山まではタクシーやバスでも行けますが、Grabで行くことをおすすめします。ダナン中心市街地やビーチ沿いから五行山までは、車で約20分〜30分程度かかります。
タクシー
- 所要:約20〜30分
- 料金:約10~20万ドン(約600円~1200円)
Grab(タクシー配車アプリ)
- スマホで呼べる配車アプリ。料金事前確定で安心。
- 所要・料金:タクシーと同等
バス
バスに乗ってローカル感を味わいながら五行山へ向かいたい! というチャレンジ精神がある方にはバスがおすすめです。
- 乗車場所:ダナン大聖堂前
路線バスナンバー「01」で、車体に「ĐÀ NẴNG - HỘI AN」と書いてある黄色いバスです。バス停の看板には①ĐÀ NẴNG - HỘI ANと記載があるため分かりやすいです!
- 料金:約2万〜3万ドン(約120円〜180円)
ダナン大聖堂の前のバス停
五行山の観光名所
5つの山から成る五行山の中で最も大きく、参拝や観光の代表地であるトゥイーソンに点在する観光名所をご紹介します!
1:サーロイ塔(Xa Loi Tower)
六角形の七重の塔。内部には小さな祭壇や釈迦如来像が安置されており、仏教の荘厳さと美しさを感じられるポイント。背景の青空とのコントラストも美しく、写真映えスポットとしても人気。塔の高さはおよそ野球の1塁から2塁までの間隔ほど。
2:リンウン寺(Linh Ung Pagoda)
白く巨大な観音像がシンボルの寺院「リンウン寺」。カラフルな装飾が施された本堂には多くの参拝者が訪れています。ダナンには3つのリンウン寺が存在しますが、ここは五行山内にあるものです。
3:タンチョン洞窟(Tang Chon Cave)
トゥイーソン内で2番目に大きな洞窟。ヒンドゥーと仏教の文様が融合された社が印象的。暗がりの中に光が差し込む神秘的な空間が広がります。ホイアン旧家風の社(やしろ)、チャンパ様式の文様やお釈迦様が祀られています。
4:展望台①(View point)
スタートから約10分の場所にある最初の展望台(五行山には展望台が2つあります!)。心地よい風とともにダナン市街地を見下ろせる休憩スポットとしても人気です。
5:ヴァントン洞窟(Van Thong Cave)
丸くくり抜かれたような入口が特徴。洞窟内には黄色の袈裟をまとう仏像が鎮座し、奥には光が差し込む神秘的な空間が広がっています。滑りやすいので足元注意。
6:リンナム洞窟(Linh Nham Cave)
小さな祭壇がある静かな洞窟。線香をあげて祈ることができますが、階段は不安定なので注意して進みましょう。
7:休憩所(Relaxation area)
軽食・飲料・土産品が販売されているエリア。暑い時期は熱中症対策として必ず立ち寄って休憩・水分補給を。
8:最も標高の高い展望台(The highest peak)
五行山の中で最も高所にある展望台・絶景スポット。登るのは大変ですが、その分ご褒美のような絶景が待っています。晴れていれば水平線までもくっきり!
9:ホアギエム洞窟(Hoa Nghiem Cave)
「玄空關(げんくうかん)」の文字が彫られた門をくぐると現れる神秘の洞窟。チャム族の女神「ポーナガー」が祀られており、仏像は磨岸仏(まがんぶつ)と言って大理石の岩肌から直接彫り出された逸品。
ポーナガーは海の泡と空の雲から生まれたという伝説を持つそうです。現代のように機械もなかった時代に、一体どのようにして洞窟の岩肌から美しい仏像を彫り出したのか気になりますね。
10:フィエンコ洞窟(Huyen Khong Cave)
五行山のハイライトと言われる最大級の洞窟。内部には巨大な仏像と、空爆による天井の穴から差し込む自然光のスポットライトが神秘的。訪れた人すべてに感動を与えるハイライトスポットです。
ホアギエム洞窟と中で繋がっています。晴れた日には仏像と光が織りなす幻想的な雰囲気を感じることができます。
15スポット全てを観光しない場合には、フィエンコ洞窟とホアギエム洞窟だけを見ていくのもアリです!
11:タムタイ寺(Tham Thai Pagoda)
タムタイ寺は漢字では三台寺と書き、五行山のほぼ中心に位置。赤瓦と色鮮やかな装飾が印象的。2番目のリンウン寺のようにカラフルで爽やかな雰囲気があり、笑顔の大黒様の像が心和ませてくれます。
三台(さんたい)とは古代中国の天文学で使われる星の名前で、3つの星を併せて三台と呼ぶそうです。
トゥイーソンは3つの峰があることから別名タムタイマウンテンとも呼ばれているのですが、その理由とタムタイ寺には何か関係があるのかも。
12:タムトン寺(Tam Ton Pagoda)
タムトン寺は他の寺院と比較すると小さめですが、どこか可愛げのある寺院。寺院の庭園は綺麗に手入れされ、小さな池には美しい花が咲いています。
13:トゥタム寺(Tu Tam Pagoda)
トゥタム寺はたくさんの仏像があり、他のスポットとは少し異なり面白いです。それぞれの掌に眼が1つ描かれた千手観音像や「お坊さんが拝んでいる姿」を見ている猿の像などがちょっと不思議&印象的です。
14:展望台②(View point)
山を下った少し低い位置にある2つ目の展望台。1つ目の展望台よりも、より鮮明にダナンの街を見渡すことができ、五行山の他4つの山々も見渡せます。
有料の望遠鏡(1回5000ドン:約30円)もあるため、望遠鏡でさらに景色を味わってみるのも良いですね!
15:アンフー洞窟(Am Phu Cave)
アンフー洞窟は山の麓の駐車場前にあり、縦長で巨大な洞窟内には地獄風のモニュメントやレリーフがあります。
牛頭馬頭(ごずめず)という鬼のレリーフからは特に地獄を感じられます。仏教の牛頭馬頭は地獄にいる鬼で、人身に牛の頭が付いたのが牛頭で、馬の頭が付いたのが馬頭。
一番奥には背後からネオン風のライトアップがされた仏像があり、ライトの相乗効果で仏様がより一層神々しく輝いています。
この仏様は地獄菩薩といい、地獄に落ちた人々を救済する菩薩です。また、閻魔大王の化身であるとも言われています。
洞窟の中をくぐり抜けると出口(ゲート2)に到着。アンフー洞窟は入場料が別料金でかかりますが、穴場パワースポットとして行ってみるのも良いですね!
観光ルート
トゥイーソンには3種類の観光ルートがあり、うち2つはきつい階段から開始。この階段はミンマン帝が初めて山中の洞窟寺院を訪れる際に建てたと言われています。
ゲート1(階段)
ゲート1はタムタイ寺の下。寺へと続く約150段の階段を上ることから始まるハードコース。順路としては12、13、14番目の観光スポットを見た後、エレベーターかゲート2を目指しながら各スポットを廻る流れです。
ゲート2(階段)
ゲート2は駐車場から近い場所。ここから傾斜のきつい階段を上がり、2番目の観光スポットのリンウン寺から廻る順路です。ゲート2も最初から階段を上るコースですが、この階段は約110段とゲート1より少し少なめ。駐車場の奥にトイレがあります。トイレはコースの途中にもいくつかありますが、観光前に寄っていくと安心。
ゲート2付近のエレベーター
最初から100段以上の階段はちょっと厳しい…という方には、エレベーター利用がおすすめ。ゲート2付近にあり、およそビル4〜5階分の高さを一気に昇ってから各スポットを廻る順路です。(エレベーターで昇った後にも階段は続きます!)
注意点
服装
- 階段が多く、大理石で滑りやすいため、スニーカーなど滑りにくい靴を選びましょう。
- 動きやすいパンツスタイルがベスト。
- 夏は40度近くになる日もあるので、帽子やUV対策も必須です。
持っておくと便利なアイテム
- 帽子
- サングラス
- 日焼け止め
- 汗拭きシート、タオル
- 虫よけスプレー(木々が生い茂っているため、虫よけ対策をすることもおすすめです。)
- ペットボトルの水(途中でも水は買えますが、水分補給はお忘れなく!)
まとめ
今回は、2025年最新版の五行山(マーブルマウンテン)について、アクセス方法や観光ルート、各スポットの見どころまで詳しく紹介しました。
大理石の山々が織りなす幻想的な風景と、仏教・チャム文化が融合した神秘的な空間は、他では味わえない特別な体験です。
五行山を登りきった後の絶景は格別! 実際に行く時には五行山の由来や歴史のことを知っておくと、より楽しむことができます。
ダナンを訪れた際はぜひ一度立ち寄って、神秘的なパワーをもらいましょう!
詳細情報
- 住所:81 Huyền Trân Công Chúa, Hoà Hải, Ngũ Hành Sơn, Đà Nẵng 550000
- 営業時間:7:00~17:30(年中無休)
- 公式HP:http://english.nguhanhson.org/
- 電話番号:0236-3961-114(五行山ツーリストエリア管理委員会)
- メールアドレス:danhthangnhs@gmail.com
※この記事に記載されている情報は2025年3月のものです。本記事に記載されている情報は予告なしに変更される場合がございますが、ご了承ください。
関連記事