ベトナム人材ナビゴス、90年代後半生まれのZ世代のレポートを発表

2020年08月19日(水)14時54分 公開
ベトナム人材ナビゴス、90年代後半生まれのZ世代のレポートを発表

<写真:Navigos Group Vietnam 公式HPより>

 

10日、ベトナム最大級の総合人材サービス企業Navigos Group(以下、ナビゴス)は、「Z世代の性格特性とキャリア指向性」に関するレポートを発表した。

同レポートでは、Z世代(1990年代後半~2000年生まれの世代)の人物特性、価値観、仕事上での行動に関する特徴を同社が提供する適性テスト(3E-IPテスト)を活用し、約1000人のテスト結果を元に分析したものだ。

具体的なレポート内容は以下の通り。

Z世代(新卒者)の性格・価値観について

Z世代の大半がセルフスタータータイプ(主体発信型)

セルフスタータータイプ(主体発信型:自分の意思で判断し、その実現に向かって自ら積極的に行動する姿勢を強く持った、主体者意識の強い先行者タイプ)がZ世代の40%、経験者層の35%とベトナムにおける労働人口の大半を占めることが分かった。

経験者層はフォロワータイプ(協調従順型:周囲と協働する事で目標達成を目指す姿勢を持ち、チームワークや和を優先する従者タイプ)が29%、カメレオンタイプ(臨機順応型:一般的には周囲に合わせ、周囲からも受け入れられやすい八方美人タイプ)が20%と他の人物タイプの割合も多かった。

一方で、Z世代はセルフスタータータイプ(主体発信型)の割合が特に際立って高かった。

また、スペシャリストタイプ(自立遠慮型:自分の意思で判断し、その実現に向かって自ら積極的に行動する姿勢を強く持ち、周囲と協働しながら成果を追求していく専門家タイプ)の割合が最も低く、Z世代の5%、経験者層の3%が同人物タイプに分類された。

Z世代は経験者層に比べ ”野心的”

Z世代の野心性は高い傾向にあり、仕事への熱意と野心は長く働いているほど低下する傾向があることが分かった。

野心性の評価項目において、Z世代の24%が高レベルを、67%が中レベルをマークした一方で、経験者層の17%が高レベル、72%が中レベルをという結果だった。

Z世代と経験者層の間での “行動性” の違い

テスト結果のうちの “行動性(考えるよりも行動が先)” の項目において、50%以上の経験者層は中立的な数値(状況に応じて行動を起こすかどうかを決める)をマークした。

一方でZ世代は、中立的に分類された割合は41%と、経験者層と比較し約10%開きがあることが分かり、40%がビジョナー(計画を考えることを得意としている一方で行動を起こすことにためらう特性)、19%がクイックアクションテイカー(考えることよりも即座に行動に移す特性)に分類されることが分かった。

Z世代は “聞くこと” よりも “伝えること” が強み

Z世代の81%が自分の考えをしっかりと伝え、道筋立てて説明することを得意とし、わずか19%が “聞くこと” を得意としていることが分かった。

同世代は、“自分の意見を伝えること“ を得意とするだけでなく、相手に感じの良さを意図的に表現し、気持ちの良いコミュニケーションもできるという強みも明らかになった。

相手の意図や感情を理解し、配慮する特性は長年の経験と共に薄まる傾向があり

Z世代は “聞くこと” よりも “自分の意見を伝えること” を得意とする傾向が高いものの、76%がコミュニケーション時に相手の意図や感情を理解し、配慮できる点も併せ持っていることが分かった。

一方で、他人の感情をあまり考えず、自分の感情や意見を主張するタイプはわずか24%に留まった。

比較対象として、経験者層のコミュニケーションの特性について、他者へ配慮する割合は76%、自分自身の意見を優先する割合は27%と、若干ではあるが長年の勤務経験を持つほど、自分自身の意見を優先することが多いことが分かった。

7割の人が高いストレス耐性を持っている

仕事でのストレス全般において、Z世代と経験者層ともに約7割の人たちが高いストレス耐性を持っていることが分かった。

Z世代の22%がストレス耐性に対して“とても高い”という結果、52%が“高い”という結果が出た。また、同世代の24%は平均レベルのストレス耐性を持ち、わずか2%がストレス耐性が “低い” という結果になった。

なお、経験者層においては、“とても高い” の割合が19%、“高い” の割合が50%だった。

Z世代のキャリアタイプ指向性、多くは “経営幹部” “社会奉仕”

高いエネルギー量と野心性を持っているZ世代において、もっとも多くの割合である29%がキャリアタイプ指向性として、“経営幹部” を指向しているという傾向が出た。この傾向値は経験者層も同様に27%と高い割合をマークした。

次点として、“社会奉仕” を指向している割合がZ世代の28%をマーク。この指向は経験者層についても2番目に多く、22%の割合が指向していることが分かった。

両グループともにわずか3%が “アントレプレナー“ を指向していることが分かった。”アントレプレナー“ を指向する人は、「自らの力で障害を乗り越え、何か新しいものを創り出す」という特徴を持っている。

“安定指向” を重視する割合はZ世代よりも経験者層が多い

経験者層の16%がキャリアタイプ指向性として “安定指向” を重視していることが分かった。この割合はZ世代では、わずか7%と9ポイントの差が出た。

また、経験者層の8%が “私生活重視” の傾向が出た。

ナビゴスグループからの提案

今回発表したレポートを受けて、ナビゴスCEOの越前谷氏は次のようにコメントしている。

「2020年は、Z世代が社会人としてのキャリアをスタートさせる最初の年。企業は採用において、世代の違いによる行動特性・価値観の違いを乗り越える工夫が必要だと考えられる。2002年よりベトナムで働く人々のキャリア支援を担うナビゴスでは、新しい世代の労働力について企業が採用において直面しうる課題について分析してきた。今回リリースしたレポートをはじめ、ベトナムの将来を担う新たな世代の可能性を最大限引き出すための適切な評価と育成に寄与したいと考えている。」

 

ナビゴスグループは、Z世代の採用選考プロセスにおいて、企業文化に候補者の価値観や性格が合うかを判断することも重要なポイントだとし、知能・性格・価値観評価ツールなどの費用対効果の高い方法を導入することを提案している。

 

また、適切な人材に対して適切なマネジメント方法を使用することが、各従業員にとって相応しい経験をもたらし、現在の仕事、ビジネスに対してのエンゲージメントを高め続けることにも役立つとした。

 

 

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