ハノイの医療従事者約900人が退職、過重労働と低賃金

2022年06月29日(水)12時16分 公開
ハノイの医療従事者約900人が退職、過重労働と低賃金

〈写真:VnExpress〉

 

ハノイ市では過去1年半で医療従事者約900人が退職や就業先の変更をしており、深刻な医療従事者不足が発生している。

 

同市人民委員会が20日に発表した報告によると、昨年は医療従事者532人が退職し、82人が職場を変更した。今年に入ってからの4カ月間では226人が退職し、17人が職場を変更した。

 

2020年以降の医療現場では、パンデミック対策に全リソースを集中させており、労働者不足による業務量過多、収入や福利厚生の低さから、多くの医療従事者が退職するか、より良い機会を求め就業先を変更する選択を行なっている。

 

ドンダー区の医療ステーションのホア元所長は、「仕事量は非常に多いが、給料が低く生活できない」として3月末に退職した。

 

パンデミック渦中にホアさんをはじめとする医療従事者は、日々追われるように濃厚接触者の追跡とワクチン接種を行っていた。業務負荷は高まる一方であったが、支給された手当は50万ドン(約2924円)のみであった。

 

医療現場での人材不足が起こっている現状で、再び新型コロナウイルスの変異種が発生・流行した場合、大惨事は免れない状況となる。

 

実際に3月に同市で感染患者が急増した際には、保健所職員は過剰な量の業務対応に追われ、感染患者や関係者は職員と連絡を取ることが出来ず、自宅で治療せざるを得なかった。

 

ホアンマイ区やドンダー区では、住民3万人に対して保健師が5〜10人しかおらず、新型コロナウイルスに感染した人でさえ働かざるを得なかった地域もある。

 

そうした状況を踏まえ、ハノイ市保健局が同市人民委員会に対して要請を行なった「保健師を支援する政策の導入」が来月上旬の会議で人民評議会に提案される予定である。

 

医療従事者の大量離職が起こっているのはハノイ市だけではない。ホーチミン市では第1四半期内に約400人がすでに退職している。また、2021年には1154人が退職し、深刻な人材不足の引き金となった。

 

ホーチミン市は4月、より多くの人材を集めるために、2025年まで310の医療ステーションに対して年間1380億ドン(約8億730万円)の支援を行う決議を採択した。

 

 

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