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ハノイ市のメトロ工事、周辺地域の地盤沈下と家屋被害が問題に
<写真:VnExpress>
ハノイ市都市鉄道メトロ3号線(ニョン〜ハノイ駅)の地下駅建設の影響によって周辺地域の家屋は亀裂や傾き、沈下に見舞われ、数十世帯が危険にさらされている。
同路線の4キロに及ぶ地下駅建設区域では約50世帯が影響を受けており、7世帯は家を取り壊さなければならず、残り43世帯は一時退去した。
バーディン区のキンマー通りでは複数の家の壁に亀裂が入り、傾いて沈下している家もある。最も深刻な影響を受けた家のひとつが同通り431番地の家である。
所有者であるディンさん(53)によると、2019年に最初のひび割れが生じ、今では扉は閉まらず、家は傾いている。ひび割れは下に行くほど酷くなっており、家を支える主な梁は鉄骨の棒が露出してしまっている状態である。
当局とプロジェクト請負業者が第三者を招いてディンさん宅の状態を評価したところ、居住するには非常に危険な状態であり、早急な引っ越しが必要だという結論であった。
ディンさんは家族7人が常に恐怖と不安の中で生活していると言い、「最初に報告してから3年経ったが、安全対策は何も提案されていない。せめて家が倒れないように、何らかの金属製のフレームを設置して欲しい」と話す。
約3キロ離れたQuoc Tu Giam通り51番路地にある15番の家でも壁に大きなひび割れが入り、所有者のダーさん(82)が倒壊を防ぐために自腹を切って鉄骨を設置した。
ダーさんによると、当局に3回ほど助けを求めたが、問題は完全に解決しなかった。
2021年に亀裂が非常に大きくなった際には建設業者からの月々500万ドン(約2万9350円)の支援を受けて新居へ引っ越したが、6カ月後には支払いが滞り出したため、元の自宅へ戻ってきた。
ダーさん宅でも同様にプロジェクト請負業者が人を派遣して家の状態を評価が行われたが、建設業者は「住宅の建設が原因だ」と言い出したという。
2021年7月から遅れていたキンマー駅の工事は20日に再開されており、近隣住民からは工事が進めば再び近隣の家屋に影響が出るのではないかと心配の声が上がっている。
メトロ3号線(ニョン〜ハノイ駅)は全長12.5キロで8.5キロの高架と4キロの地下区間で構成される。2010年に着工して2015年に完成する予定であったが、現時点で75%しか完成していない。
国内資金とフランス政府、フランス開発庁、アジア開発銀行、欧州投資銀行からのODAで賄われているプロジェクト費用は34兆ドン(約1996億円)以上に膨れ上がっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。