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授業料に依存するベトナムの大学、教育の機会均等を妨げる
<写真:VnExpress>
ベトナムでは大学収入の大部分を授業料が占めている現状が、教育の機会均等に影響を与えているとの懸念が高まっている。
この要因は国家予算が教育に占める割合が低いことであるという。
ベトナムの大学における総収入の大半は授業料に由来しており、これは国家予算の大部分を頼りにする他国の大学とは大きく異なる状況である。
教育訓練省の2022年のデータによると、1兆ドン(約60億9750万円)以上の収入を記録したベトナムの大学は5校しか存在せず、その中には公立のハノイ科学技術大学やホーチミン市経済大学が含まれている。
この2つの大学では、それぞれの総収入で授業料が占める割合が54.4%、73.6%にも上るという。
世界銀行が2021年に発表した報告書によると、ベトナムの公立大学の収入において、授業料が占める割合は77%に達している。
これに対して、国家予算の割合はわずか9%に留まっており、このような授業料依存の高い状況は、他国と比較しても顕著であることが明らかである。
米国国立教育統計センターのデータでは、米国の公立学校の収入に占める授業料の割合は20%程度に留まり、政府からの補助金が43%を占める。
また、ニュージーランドやオーストラリアの大学でも、政府からの予算が大部分を占めている。
教育訓練省のホアン・ミン・ソン副大臣によると、ベトナムの高等教育への国家予算はGDPの0.18%程度しか占めていない。
このような低い予算配分により、ベトナムの大学は収入確保のために高額な授業料を設定せざるを得ない状況となっている。
ベトナム大学カレッジ協会副会長で前教育訓練省副大臣のチャン・スアン・ニー氏は、この高額な授業料が教育の不平等を引き起こし、低所得層の高等教育へのアクセスを制限すると指摘するとともに、授業料の高騰は教育の質にも影響を及ぼし、経済発展の障壁となる可能性があると警告している。
世界銀行の専門家らは、ベトナムが2030年までに高等教育への支出をGDPの0.23%から0.8%に増加させることを強く推奨しているが、現状の授業料依存の高い状況では、高等教育の持続可能性や教育へのアクセスの平等性が確保されるかどうかは不明確である。
また、ニー氏はこの問題を解決するために、国家予算の増額や大学の収入源の多様化など、複数の施策が必要であると指摘している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。