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絶え間ない移動生活、雇用不安に晒される中高年労働者の実態
<写真:VnExpress>
都市部の工場で働く中年労働者の多くが解雇され、故郷に戻る者や再び都市部に移住する者が増加している。
メコンデルタ地方ロンアン省出身のタイン・フオンさん(35)は、10年以上にわたってホーチミン市の工場で働いていたが、今年5月に解雇された。
フオンさんは社会保険手当を取り崩し、故郷に戻ることを決意しており、「工場労働者としての生活は厳しいものであった。企業への就職を希望していたが、年齢的なハンディキャップがあった」と語る。
その後、フオンさんはスパ・トリートメントの職業訓練コースに投資し、現在はスパ施設での経験を積み始めている。
フオンさんの現在の収入は工場労働者であった頃の半分となり、夫の収入と合わせても家族の生活を支えるには十分ではない。しかし、フオンさんは「知人から借金をせずに生活できることが幸運である」と感じている。
フオンさんは「ホーチミン市よりもこちらの方が生活費は安い」と付け加える。
東南部タイニン省出身のフウ・ティンさん(41)もホーチミン市の繊維工場での職を失い、故郷に戻った。ティンさんは10年間にわたって同じ仕事に従事していたが、帰郷後の生活は楽になったと語る。
ティンさんは「ホーチミン市の家賃は高いが、タイニン省では大きな部屋を安く借りることができる」と言い、自身と同様に多くの人々が同省に移住してきていることを指摘する。
以前は発展している地域に人々が集まっていたが、最近は30代の労働者がタイニン省の新しい工場での仕事を求めて移住してきているという。
ベトナム統計総局のデータによれば、2023年第2四半期のベトナムの失業者は107万人である。メコンデルタと東南部の失業率が高く、これらの地域の製造工場では解雇が増加している。
また、社会生活研究所の調査によれば、ホーチミン市や南部ドンナイ省、ビンズオン省の回答者の15.5%が故郷に戻る計画を持っていると回答した。
ビンズオン省労働・傷病兵・社会問題局のファム・ヴァン・トゥエン副局長は、高度な技能を持つ労働者が都市圏から地方に戻るという内部移住の傾向を確認している。
しかし、すべての労働者がフオンさんやティンさんのように恵まれているわけではない。
フオンさんによれば、故郷に戻り新しいキャリアの機会を探すことは、一定の貯蓄や資源を持つ人々にとってのみ有効であり、年齢が高く、不動産などを持っていない人々は、帰郷後の生活が困難であるという。
フオンさんの知人の中には解雇後に故郷に戻った後に、生計を立てるために他の場所に再移住した人もいるが、そうした人々の現在の生活は、収入の減少や都市部での高い生活費のために困難なものとなっている。
社会生活研究所の創設者であるグエン・ドゥック・ロック博士は、これらの人々が「絶え間ない移動」という新しい現象を引き起こしていると指摘する。
同博士は、この傾向が特に高齢の労働者に多く、若い労働者との競争が難しいとも語る。また、この傾向は社会全体に影響を及ぼす可能性があるという。
定住せずに常に移動する労働者たちは、生計を立てるのに役立つ一方で、このライフスタイルの不安定さに悩みを抱えている。そのため、同博士は企業と当局が連携し、中高年労働者をサポートする政策を策定すべきであると提案する。
企業は労働者に持続可能なキャリアパスを提供すべきであり、若い労働者を雇用するために中高年労働者を解雇するのではなく、敬意を持って扱うべきであるという。
当局も中高年労働者にキャリアの機会やリソースを提供し、多様な労働市場を創出することで支援すべきである。同博士は中高年労働者が新しい職業の訓練を受けるための支援や、起業を目指す場合の融資の機会を提供することも提案している。
ティンさんによると、誰もが定住する場所を持つことを望み、生活費を稼ぐために常に移動することは望まない。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。