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迫るゴミ分別の義務化、市民の低意識で準備は困難
<写真:tuoitre.vn>
2020年に施行された環境保護法により、ベトナムでは2025年1月1日から家庭や個人から出る生活ごみを分別することが義務付けられる。
分別しない場合は50万ドン〜100万ドン(約3100円〜約6200円)の罰金が科されることになっている。
しかし、現在時点では多くの市民に分別の習慣がなく、回収や処理の体制も整っておらず、期限までに分別のルールを遵守することは困難になることが懸念される。
ベトナムでは生活ごみはスーパーなどのビニール袋に入れ、好きな時間に家の前に置いておけば清掃員が回収していくのが一般的である。
分別の意識は低く、政府や自治体が指定したごみ袋もない。また、道路へのポイ捨ても日常的で、これらを違法行為とする法律や条例もないため、罰金などもない。
生活ごみの処理方法も問題となっており、ベトナムではごみ焼却施設が不足し、基本的には埋め立てや不法な海洋投棄などでごみが処理されている。
これによって土壌や水質の汚染、温室効果ガスの排出など、環境への悪影響が深刻化する状態にある。
ベトナム政府は生活ごみを資源として再利用することを目指しており、環境保護法では分別のルールや回収・処理の体制の整備などを定めている。
しかし、実際には市民の意識や行動の変化が遅れており、自治体や事業者も分別の推進や設備の整備に消極的であるという。
ベトナムの環境問題に詳しい専門家は「分別の義務化は必要であるが、それだけでは不十分である。市民に分別のメリットや方法を啓発し、自治体や事業者に分別の推進や設備の整備を促すため、法律や条例の制定や施行、監督や評価などの仕組みを整える必要がある」と指摘する。
ベトナムでは分別の義務化の期限までに1年余りしかない。環境問題の解決に向け、市民や政府、事業者などが協力し、分別のルールを守れるようになることが望まれる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。