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ASEANの経済規模、2029年までに日本を上回る見通し

2024年11月27日(水)07時00分 公開
ASEANの経済規模、2029年までに日本を上回る見通し

<写真:tinnhanhchungkhoan.vn>

 

HSBCのグローバルリサーチ部門が発表した報告書「ASEAN Perspectives」によると、ASEANは2030年代初頭までに経済規模で日本を追い抜く見込みである。

 

報告書は、ASEANが観光業や軽資産サービス(資産集約度が低いサービス)を含む多くの分野で世界的な競争力を高めており、その経済的地位が着実に拡大している点を強調した。

 

ASEANは豊かな自然と多様な文化を背景に、世界有数の観光地としての地位を確立してきた。

 

シンガポールのチャンギ空港やタイのスワンナプーム空港の開業、ASEAN域内でのビザ免除協定の導入など、過去のインフラ投資が観光業の発展に大きく貢献した。

 

2007年から2019年にかけて、ASEAN-6(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム)の訪問者数は年平均7.1%増加し、ASEAN全体の世界観光市場シェアは4.9%から8.7%に拡大している。

 

しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で観光業は一時停滞した。

 

中国からの観光客回復の遅れを受け、域外諸国に対するビザ免除政策が拡大されている。特に、マレーシア、タイ、シンガポールは中国国民に対するビザ免除を導入し、他のASEAN諸国も同様の政策を進めつつある。

 

一方、ASEANの観光収入の多くは訪問者数の増加に依存しており、一人当たりの支出拡大が課題として挙げられる。

 

高級観光やMICE(会議、報奨旅行、展示会)イベントの促進、新たな観光地開発が成長の鍵とされている。

 

ASEANは、資産集約度の低いサービス分野でも競争力を高めている。この分野には、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)、金融サービス、映画制作、コンサルティングなどが含まれる。

 

特にシンガポールは、金融ハブとしての地位を確立し、2024年には4兆1000億ドル(約634兆5000億円)規模の資産運用業界を擁するまでに成長した。

 

フィリピンも若く、英語話者の労働力を活用し、BPO業界をインドと肩を並べる規模にまで成長させた。

 

ASEAN全体では軽資産サービスの世界市場シェアが2005年の3.2%から現在の6%に倍増しており、今後さらに成長が期待されている。

 

ASEANは2005年には世界第11位の経済規模であったが、2023年には第5位に浮上した。

 

国際通貨基金(IMF)によると、2024年から2029年にかけての年間平均成長率は4.7%と予測され、世界で最も成長が速い経済圏となる見込みである。

 

2029年には日本の経済規模を上回るとされている。

 

ASEANの人口増加率はピークを迎え、今後は減少に転じる見込みであるが、経済規模の拡大が続く理由として、技術革新と生産性の向上が挙げられる。

 

報告書は、ASEAN諸国が技術の導入と革新を通じて高付加価値商品やサービスを生産している点を強調した。

 

特にシンガポールは、2024年のグローバル・イノベーション・インデックスで世界第4位にランクインするなど、革新性と競争力でASEANを牽引している。

 

HSBCの専門家はASEANが域内自由貿易の基盤を活用し、技術革新と経済統合をさらに進めることで、今後も持続的な成長を遂げると予測する。

 

また、インフラ整備や政策的な取り組みを通じて観光業や軽資産サービス分野の成長を促進することが、ASEAN経済圏のさらなる発展に寄与すると指摘している。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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