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増加するホーチミンのデング熱、死亡例も報告
<写真:tuoitre.vn>
ホーチミン市ではデング熱の感染者数が増加しており、特に大人に近い年齢の子どもへの感染が顕著になっている。
26日のホーチミン市疾病管理センター(HCDC)の発表によると、11月18日から24日までの第47週に記録されたデング熱感染者数は698人で、過去4週間の平均と比較して1.8%増加した。
ホーチミン市は南部地域で最も多くのデング熱感染者を抱え、地域全体の25%を占める。同市では第37週以降、感染者数が毎週増加しており、死亡例も1件確認された。
ホーチミン市第1小児病院のデング熱科責任者であるグエン・ミン・トゥアン博士によると、同院ではデング熱患者数が10月以降に増加している。同科では現在、毎日50~60人の子どもが治療を受けており、10月時点の1日平均である30~40人を大きく上回っている。
患者の約70%はホーチミン市在住の6~16歳の子どもであり、例年は雨季の9月~11月に集中していた感染者数が、2024年は11月末になっても減少の兆しが見られない。
さらに、従来は感染者が少なかった地域であるラムドン省やビンフオック省でも感染者が増加している。
トゥアン博士によると、デング熱を媒介するネッタイシマカは環境の変化や都市化に適応しつつある。また、気候温暖化や産業化の進展により、これまで感染が少なかった地域でもリスクが高まっている。
これらの地域では、工場や建設現場の増加、人の集中によって水たまりが放置され、ネッタイシマカの繁殖地が拡大しているという。
第2小児病院のグエン・ディン・クイ氏によれば、同病院でもデング熱患者数が10月から倍増しており、現在は毎日約20人が入院治療を受けている。
クイ氏は特に肥満の子どもにおいて重症化のリスクが高く、治療の難しさが増していると警鐘を鳴らした。
HCDCによる調査では、複数の危険地点でボウフラが確認されており、ホーチミン市保健局はさらなる感染増加のリスクを指摘している。保健局は予防接種による免疫獲得や蚊の繁殖地の排除、蚊刺され防止対策の徹底が引き続き重要であると強調した。
一方、ドンナイ省疾病管理センター(CDC)によると、2024年初頭から11月現在までに7067人がデング熱を発症し、そのうち15歳以下の子どもが4069人で57.5%を占めている。
前年同期比で43%増加しているが、死亡例は1件と前年同期の5件から減少した。同省では1627の感染クラスターが確認され、前年同期比で57%増加した。これらのクラスターはすべて封じ込め措置が取られている。
感染の拡大を抑えるため、地方自治体および保健当局は蚊の繁殖地除去と予防活動を強化している。
デング熱ワクチンに関しては、日系総合診療クリニックのDYMメディカルセンターで武田薬品のデング熱ワクチンQDENGAの接種が可能である。
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