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日本人創業食材卸のカメレオ、約12億円を調達
<写真:cafef.vn>
ベトナムを拠点とするB2B食材卸プラットフォーム「カメレオ(Kamereo)」が約12億円の資金調達を実施した。
この資金は事業拡大、人材採用、新サービスの展開に充てられる予定である。
同社は現在、ホーチミン市を中心に活動を展開しているが、12月からハノイ市にも進出している。
2018年に設立されたカメレオは日本人起業家の田中卓氏が創業した企業である。
田中氏はベトナム進出以前、アメリカでの学業を経て金融業界でのキャリアを積んだ後、東南アジア各国を訪れ、ベトナムで事業を開始した。
カメレオは、これまでに総額1500万ドル(約22億4864万6315円)の資金を調達している。
今回のシリーズBラウンドでは、住友商事、SMBCベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタルなどの日本企業が出資に参加し、ベトナム市場の可能性を評価した。
田中氏によれば、投資家らは市場調査や同社のビジネスモデルを長期間にわたり分析した上で投資を決定したという。
ベトナムの食品市場は年間5%以上の成長率が見込まれ、総額約1000億ドル(約14兆9910億円)の規模があると推定されている。
一方で、サプライチェーンは小規模な個人事業主による流通が主体であり、日本や米国のような大規模卸売業者や農業協同組合による支配はない。
この構造的な特性がカメレオのような企業にとって大きなビジネスチャンスとなる。
田中氏は「市場には明確なリーダーが存在せず、カメレオが主要プレーヤーになる余地がある」と述べている。
一方で、資金調達、物流の整備、業務運営の効率化などの課題が依然として残されており、田中氏は改善の精神を核に据え、これらの課題を克服していく意向を示した。
カメレオは今回の資金調達によってベトナム全土への事業展開を目指しており、ハノイ市場への進出に加え、北部と南部を結ぶ冷蔵輸送システムを整備し、中部地域には新たな物流センターを設立する計画である。
また、B2B向けオンラインプラットフォームを強化することで、サプライヤーが商品をカメレオの倉庫に保管し、販売、配送、集金まで一括して管理する新モデルを導入する。
カメレオは既に業務スーパーを運営するGyomu Japanと提携し、約450種類の商品をプラットフォームに掲載しており、ホテル、レストラン、カフェといったHORECAセグメントの多様なニーズに対応している。
主要出資者の1つである住友商事は、ハノイ市で運営する小売チェーンのフジマートを通じてカメレオの事業拡大を支援する意向を示している。
住友商事の竹野浩樹氏は「カメレオの成長を促進するために全面的な協力を行う」とコメントした。
カメレオの躍進は急速に成長するベトナム食品市場において、日本の投資と起業家精神が結びついた成功例として注目されている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。