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日本向け労働力輸出、企業が抱える課題と現状
<写真:nld.com.vn>
ベトナムから日本への労働力輸出が拡大を続ける一方で、多くの企業が人材確保に苦慮している状況が浮き彫りとなっている。
特に人材不足が深刻化しており、一部の企業はブローカーを通じて労働者を1人あたり2000万~3000万ドン(約12万6080〜18万9120円)で確保せざるを得ない状況に直面しているという。
企業の苦境は、目標未達成やコスト上昇という形で表れている。
例えば、ホーチミン市を拠点とする労働輸出企業エストララ社(Estrala)では、2024年末までに日本へ送る労働者数の目標達成が困難な見込みである。
同社の副社長グエン・テー・ダイ氏によれば、この課題は同社のみならず、業界全体に共通する問題である。
従来は地方労働局や公共職業紹介センターとの連携により安定した人材供給が可能であったが、近年ではブローカーが人材の大部分を囲い込み、コスト競争力を失う企業が増加している。
日本市場はベトナムにとって主要な労働力輸出先であり、6月時点で海外へ働きに出たベトナム人7万人のうち58%が日本で就労している。
しかし、円安や日本国内の物価上昇により、労働者の収入が相対的に減少している。
この結果、かつては労働者が帰国後に家や土地を購入することが可能であったが、現在ではその実現が難しくなっているという。
これにより、日本市場の競争力は低下し、一部の企業はフィリピンやインドネシアなど他国の労働力確保に目を向け始めている。
労働力不足の要因として、ブローカーによる人材囲い込みのほか、初期費用の負担や日本国内の賃金停滞が挙げられる。
さらに、ベトナム国内の生活水準が向上したことで、日本での収入の魅力が薄れたことも一因とされている。
こうした背景を踏まえ、教育機関や地方自治体との連携を強化し、卒業直後の若年労働者や兵役終了後の人材を活用することが有効な解決策と考えられる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。