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生体認証未登録の銀行口座、25年から電子取引が不可
<写真:baomoi.com>
2025年1月1日より、生体認証を完了していない銀行口座の所有者は、送金やオンライン決済といった電子取引を利用することが不可能となる。この措置は、ベトナム国家銀行が発行した新たな規定に基づくものである。
国家銀行が定めた通達17号では、銀行口座の所有者が登録済みの本人確認書類と、警察機関が発行する顔認証や指紋認証といった生体情報や電子認証システム(VNeID)との照合を完了した場合にのみ、電子取引が可能となるとされる。
また、通達18号では、オンラインカード取引においても生体認証が必須とされている。一方で、対面で行われる小売店のPOS端末を使った取引では、生体認証は必要ない。
現在、顔認証、指紋認証、虹彩認証といった生体認証技術は、不正防止の観点から注目を集めており、特に顔認証が主流である。10月末時点で、ベトナム国内で生体認証を登録済みの口座は約37万件にとどまっており、総個人口座数1億8000万件の約20%にすぎない。
この新規則の導入後、詐欺口座の数は大幅に減少する見込みである。
銀行各社は顧客に対し、SMSやメール、電話を通じて生体認証登録を促す活動を強化しており、対面でのサポートも提供している。たとえば、ベトナム銀行(BVBank)は電子取引を頻繁に行う顧客への優先対応を進めており、登録率向上を目指している。
また、高齢者やATM利用者など電子取引を行わない層については、生体認証登録を免除する方針を打ち出している。
ベトナムでは7月に、オンラインで1回の送金額が1000万ドン(約6万510円)以上、または1日の送金総額が2000万ドン(約12万1020円)以上の場合、生体認証の初回登録が義務付けられた。
こうした規則は、詐欺対策と「ゴミ口座」の削減を目的としており、これまで詐欺グループが架空口座やカードを利用して行ってきた不正行為の抑制が期待されている。
しかし、企業口座を悪用した規制逃れや、生体認証データの不正取得を目的とした新たな犯罪への懸念も指摘されている。
最近では、他人に銀行口座を開設させ、その生体認証データを詐欺グループに提供する手口が明らかとなり、カンボジアを拠点とする犯罪組織が摘発された。
国家銀行のファム・ティエン・ズン副総裁は「完璧な対策は存在しない」と述べつつも、新規則による銀行口座の「浄化」がオンライン詐欺防止に一定の効果をもたらすと強調している。生体認証の普及が進む中で、さらなる犯罪防止策の整備が求められている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。