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日本市場の魅力低下、ベトナムは他国への労働輸出を拡大
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<写真:laodong.vn>
ベトナムの労働輸出企業が日本市場の魅力低下を受け、新たな海外労働市場の開拓を進めており、現在はギリシャやフランス、ハンガリー、スペイン、フィンランド、オーストラリアなど、欧州や豪州への派遣が注目されている。
ホーチミン市タンビン区に本社を構えるビエンドン労働輸出・商業サービス社は、日本向けの労働者派遣を主力としていた。しかし、円安や競争の激化により日本市場の魅力が低下しているため、新たにポーランドやドイツ市場への進出を進めている。
同社はポーランドに100人の労働者を派遣し、果物・食品の包装作業に従事させる計画を立てている。月収は平均1000米ドル(約15万5430円)で、健康保険が適用される。
対象は20〜50歳の男女で、高卒以上の学歴と健康状態が条件となる。勤務時間は1日8時間で、週休2日、住居、通勤手段、食事は無料で提供される。
ドイツ市場では食品関連業務の派遣を拡大する方針である。ドイツは労働需要が高く、待遇も充実している。
例えば、果物・食品包装の仕事では、基本給2700ユーロ(約42万9140円)が支払われ、残業手当も追加される。
さらに、配偶者や子どもの帯同が可能で、子どもは教育・医療の無償サービスを受けられるため、長期的な定住の機会も広がる。
同社のグエン・テー・ダイ副社長によると、新市場の開拓によって労働者の選択肢が増加し、企業も特定の市場への依存を減らすことが可能である。
国際人材供給・商業社もオーストラリア市場への進出を強化している。同社はベトナム労働・傷病兵・社会問題省の認可を受け、オーストラリアの農業分野で働くベトナム人労働者の派遣事業を展開する6社の1つに選ばれた。
同社のグエン・ドゥック・ナム会長によると、オーストラリア市場は非常に魅力的で、多くの可能性を秘めている。同社はオーストラリア政府の審査を経て選定され、労働者の募集・管理計画を明確にし、派遣労働者から手数料を徴収しない方針を掲げている。
オーストラリア政府は2024年から毎年1000人のベトナム人労働者を受け入れる計画で、基本給は月額3200~4000豪ドル(約30万3200~37万9000円)とされている。
労働者が帰国すると、次の候補者が派遣される仕組みとなっており、継続的な受け入れが保証されている。
ベトナム政府も海外労働市場の多様化を推進しており、オーストラリア市場については、両国政府が2024年初めに農業分野での協力覚書を締結した。
さらに、ベトナム政府はドイツやギリシャ、フィンランド、ポーランド、北欧諸国との労働協力協定の締結を進めている。
企業も政府の枠組みに依存せず、自主的にフランス、デンマーク、スペインなどでの労働市場開拓を進めており、労働者の待遇改善につながる可能性がある。
現在、約65万人のベトナム人労働者が40以上の国と地域で働いており、年間35億~40億米ドル(約5440億1590万~6217億3250万円)の送金がベトナムにもたらされている。
従来の主要市場である台湾(中国)、日本、韓国のうち、日本は5年連続で最大の受け入れ国となっていた。しかし、近年は欧州・豪州への派遣が増加している。
ベトナム外務省領事局の「2023年ベトナム移住報告書」によると、ベトナム人労働者の平均月収は、韓国が1600~2000米ドル(約24万8690~31万870円)、日本が1200~1500米ドル(約18万6520~23万3150円)、台湾が800~1200米ドル(約12万4345~18万6520円)である。
一方、中東やマレーシアでは、熟練労働者で600~1000米ドル(約9万3260~15万5430円)、一般労働者で400~600米ドル(約6万2170~9万3260円)と低水準にとどまる。
今後、ベトナム政府と労働輸出企業の連携により、新たな市場の開拓と労働者の待遇向上が期待される。
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