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キャッシュレス時代のチップ文化、ベトナムでの変化
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<写真:baodongnai.com.vn>
ベトナムではキャッシュレス決済の普及に伴い、飲食店でのチップの支払い方法が変化しており、従来の現金に加え、QRコード決済や銀行振込を利用するケースが増えている。
ホーチミン市1区のビアホールで新年会を開いたグループは、会計を銀行振込で済ませた後、従業員へのチップとして20万ドン(約1190円)をQRコードで送金した。
参加者の1人であるタンビン区在住のフオン氏(45)は「学生時代に飲食店で働いた経験があり、給料の低さを知っているため、必ずチップを渡す」と語った。
普段から現金を持ち歩くフオン氏は、会計時に直接従業員へ渡すことが多い。
チップの金額は食事の内容によって異なり、軽食なら1万〜2万ドン(約60〜120円)、居酒屋では10万〜20万ドン(約600〜1200円)を渡すという。
グループでの会計では代表者がチップ額を決め、後から割り勘にするのが一般的である。
トゥードゥック市在住のバック氏(35)も「飲食店ではお釣りの小銭をチップとして渡すことが多い」と語る。
また、会社の同僚とレストランを利用する際には、スタッフの負担を考慮し、20万〜30万ドン(約1200〜1800円)を渡すことがあるという。
バック氏は「特に学生アルバイトが多い飲食業界では、チップが貴重な収入源となる。サービスが良ければ、それに応じた謝意を示したい」との考えを示した。
キャッシュレス決済の普及により、飲食店側も新たな対応を求められている。
フーニュアン区在住のジウ氏(32)は、レストラン利用時に請求額にチップを上乗せし、店の口座へ振り込むことがある。
直接従業員に手渡せる場合は現金で、難しい場合は会計時にまとめて送金するという。
ホーチミン市1区の飲食店経営者であるズオン氏によると、同氏の店では現金、銀行振込、クレジットカード払いのいずれでもチップを受け付けている。
振込やカード払いの場合、店側が集計し、後日従業員に分配する仕組みである。
ズオン氏は「会計時に端数を切り上げてチップを渡す客が多い。例えば、14万9000ドン(約885円)の請求に対し20万ドン(約1200円)を支払うケースがある」と語る。
一方で、チップを渡さない層も存在する。ホーチミン市8区のL.T氏(38)は「従業員の給料にはサービス料が含まれている」と考え、基本的にチップを渡さない。
また、旅行時もホテルスタッフやツアーガイドに対するチップは支払わないという。
キャッシュレス決済の拡大により、ベトナムのチップ文化は変化しつつある。今後、飲食業界におけるチップの扱いがどのように進化するのか、引き続き注目される。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。