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南部ベトナムの住宅市場、供給過多も需要低迷が継続

<写真:diendandoanhnghiep.vn>
南部ベトナムにおける住宅市場は供給が潤沢であるにもかかわらず、購買意欲の低迷が顕著である。
DKRAグループが発表した最新レポートによれば、2025年初頭の2か月間における同地域のマンション販売吸収率はわずか10%にとどまった。
調査対象はホーチミン市とビンズオン省、ドンナイ省、ロンアン省、バリア=ブンタウ省、タイニン省である。
供給戸数は約1万2000戸に達し、うちホーチミン市が全体の55%である6600戸、ビンズオン省が40%の4800戸を占めた。
一方で、成約数はわずか1188戸にとどまり、特にドンナイ省では7戸、バリア=ブンタウ省では13戸と極めて低調な結果となった。
販売不振の要因として、旧正月の影響に加え、販売価格の高騰および商品構成の偏りが挙げられる。
特に成約物件の76%以上が高級マンションであり、価格はホーチミン市で1㎡あたり7500万ドン(約44万円)以上、ビンズオン省では4000万ドン(約23万5040円)以上とされ、中・低所得層にとっては手が届きにくい水準にある。
新規供給の大半は既存プロジェクトの追加分であり、価格も5~10%上昇している。
販売促進策としてディスカウントや長期分割払いなどが講じられているが、十分な効果を上げていないのが現状である。
さらに金融面においては、優遇金利付きの住宅ローンが提示されているが、その適用期間は短く、優遇終了後の変動金利は11~14%に達している。
このため月額返済額は2700万~3000万ドン(約15万8650〜17万6280円)となり、特に初めて住宅を購入する若年層にとっては大きな負担となっている。
こうした経済的条件が、購買意欲の本格的な回復を妨げている。
DKRAグループによれば、2025年には南部地域において1万3000~1万5000戸の新規供給が見込まれる。
ホーチミン市では引き続き高級物件が市場の主力を占める一方で、ビンズオン省などの周辺地域では中価格帯の物件供給が中心となる見通しである。
ただし、依然として価格の高さが住宅市場の流動性回復を阻む要因となる可能性が高く、根本的な需要喚起策が求められている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。