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賭博罪などの刑法改正案、適用基準額の引き上げを提案

<写真:dantri.com.vn>
ベトナム公安省は刑法改正案において複数の犯罪に対する金銭的基準額の引き上げを提案した。
特に注目されるのは賭博罪に対する適用基準の見直しであり、これまでよりも高額な金銭・物品を伴う行為のみに刑事責任が課される方向である。
改正案によれば、刑法第321条に定められる賭博罪については、賭博により金銭や物品の得失が発生する額が1000万ドン(約5万7000円)以上1億ドン(約57万円)以下の場合に刑事罰の対象となる。
これは従来の500万〜5000万ドン(約2万8500〜28万5000円)という基準から大幅な引き上げとなる。
また、賭博の組織や場所の提供に関する第322条についても、刑事責任が問われる基準額が従来の5000万ドン(約28万5000円)から1億ドン(約57万円)に引き上げられる見通しである。
公安省はこれらの基準額引き上げについて、インフレや経済の実情を踏まえた現実的な対応であると説明しており、法の適用範囲を社会情勢に即したものとする意図がある。
賭博に限らず、他の犯罪類型についても同様の見直しが行われている。
たとえば、窃盗罪(第173条)においては、刑事責任が問われる財産の価値が従来の200万ドン(約1万1400円)から500万ドン(約2万8500円)へと引き上げられる。
さらに、収賄罪(第354条)、贈賄罪(第364条)、あっせん収賄罪(第365条)など、汚職関連の罪においても、それぞれの資産や利益の基準額が倍増される方針が示された。
特に、収賄罪および横領罪については、従来は極めて重い犯罪として死刑が科されうるとされていたが、今回の改正案ではこれを「減刑不可の終身刑」へと転換することが提案されている。
さらに、有期懲役刑の上限についても、これまでの20年から30年へと延長される新たな規定が盛り込まれている。
今回提出された刑法改正案は、全3部・26章・433条から構成されており、現行法のうち181条を維持しつつ、245条を改正、18条を削除、新たに6条を追加する内容である。
本改正案は、2025年10月に予定されている第15期国会第10回会議において、簡略化された立法手続きのもとで審議・採択される見通しである。
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