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ベトナムで横行する偽造粉ミルク、健康を脅かす深刻な社会問題

2025年04月17日(木)07時00分 公開
ベトナムで横行する偽造粉ミルク、健康を脅かす深刻な社会問題

<写真:nhandan.vn>

 

近年、ベトナム国内において偽造粉ミルクの製造および流通を担う大規模組織が次々と摘発され、社会に深刻な懸念を引き起こしている。

 

これらの偽装商品は経済的損失にとどまらず、乳幼児、妊婦、高齢者、免疫力の低下した人々といった脆弱な層に対し、深刻な健康被害を及ぼす危険性が指摘されている。

 

4月にハノイ市警察は約600種類におよぶ偽造粉ミルクの製造・販売に関与していた組織を摘発した。

 

対象となったのは、糖尿病患者や腎不全患者、早産児、妊婦向けに販売されていた特殊栄養食品であった。

 

しかしながら、これらの製品の多くは表示された栄養成分を含まず、出所不明の添加物を使用し、栄養基準の70%にも満たない粗悪な内容であった。

 

同様の事例は2024年1月にも発生しており、ビンズオン省およびホーチミン市において、有名ブランドを模倣した偽造粉ミルクがオンラインで販売されていたことが明らかとなった。

 

専門家の指摘によれば、偽造ミルクにはカルシウム、鉄、ビタミンD、DHAなどの重要な栄養素が欠如しており、乳幼児が摂取した場合、発育障害や知的発達の遅れを引き起こす恐れがある。

 

また、毒性のあるメラミンなどの有害化学物質が含まれている可能性もあり、腎障害や腸炎、重篤な場合には死亡に至るリスクさえある。

 

妊婦がこうした偽ミルクを摂取した場合、必要な微量栄養素が不足し、低体重児の出生や早産、胎児の先天異常など、深刻な影響を招く可能性がある。

 

さらに、高齢者においては骨粗しょう症や代謝障害、中毒症状の発生が懸念されている。

 

慢性疾患を抱える患者にとっては、必要な栄養補助の役割を果たせないことで健康状態を著しく悪化させる危険性が高い。

 

こうした偽造品の識別は困難を極める。

 

正規品と酷似したパッケージに加え、QRコードや栄養成分表示までもが精巧に模倣されているため、消費者が外見から真偽を判断することは極めて難しい。

 

信頼の置ける販売ルートの利用、メーカーの実績確認、検査認証の有無を確認することが推奨されている。

 

現在、偽造粉ミルクは電子商取引サイトやSNSなどを通じて広く流通しており、監視体制の強化が急務である。

 

ベトナム法普及相談協会のディン・タイ・クアン副会長は「信頼可能な販売チャネル以外での購入は控えるべきであり、偽造防止ラベルや確認コードの活用を徹底する必要がある」と警鐘を鳴らしている。

 

加えて、専門機関による検査体制の強化、正規メーカーのブランド保護も重要な課題となっている。

 

政府、企業、そして消費者が一体となって偽ミルク撲滅に取り組む体制の確立が求められる。

 

偽造粉ミルクの問題は単なる経済犯罪ではなく、国民の健康と生命を脅かす重大な社会問題であり、信頼可能な食品供給体制の構築とともに、消費者の認識向上が急務である。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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