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ベトナムSNS広告の実態、消費者被害の拡大

<写真:nld.com.vn>
ベトナムにおけるSNS市場の急速な拡大に伴い、インフルエンサーによる誤情報の拡散や偽造品・粗悪品の販売が深刻な社会問題となっている。
人気のTikTokerやYouTuberが虚偽の広告を通じて商品を販売し、消費者の間では健康被害の報告も相次いでいる状況である。
最近ではインフルエンサーのハン・ズー・ムックおよびクアン・リンが偽造品「ケラ野菜キャンディ」の製造・販売に関与したとして逮捕された。
さらに、元ミス・ベトナムであるグエン・トゥック・トゥイ・ティエンも関連調査の一環として出国禁止措置を受けており、SNSを巡る違法行為の広がりが明らかになっている。
特に注目されるのは、サッカー選手グエン・クアン・ハイの妻であるチュ・タイン・フエンが運営するTikTokショップで、正規品として販売されている化粧品やサプリメントの一部に、出所不明の商品が含まれている点である。
購入者からは「偽物の可能性がある」「使用後に肌荒れを起こした」などの苦情が多数寄せられている。
フォロワー数が170万人を超えるTikTokerのマイ・リーも、肝機能改善を謳うサプリメント「E22」により、推定58億ドン(約3200万円)以上の売上を記録したとされる。
しかし、この製品にも「ラベルが貼られていない」「使用方法が明記されていない」といった指摘が多く寄せられている。
さらに、TikTokやYouTubeでは「万能薬」「若返り薬」などと称し、誇大な効能を謳う広告が蔓延している。
特に高齢者が被害に遭いやすく、伝統薬と偽って販売された商品に含まれるステロイド成分によって健康被害を受けた事例も複数報告された。
こうした状況に対し、メディア専門家のヴォー・クオック・フン氏は、SNSが事実確認を欠いたまま「報道機関化」しており、特にZ世代の認識形成に悪影響を与えていると警鐘を鳴らしている。
調査会社Kantarの報告によれば、Z世代の60%がSNS上のレビューを信頼し、そのうち40%が虚偽のレビューによって粗悪品を購入した経験があるとされる。
企業側にも危機感が広がっており、電子商取引企業24hStoreの幹部は「正規品を扱う企業が安価な偽造品に市場を奪われている。著名人が広告に関与する以上、責任の所在を明確にすべきである」と訴える。
専門家らはオンライン販売者に対するアカウント認証制度の導入や、SNSプラットフォームによるライブ配信の監視強化が不可欠であると提言している。
急速に拡大を続けるオンライン市場において、公正な競争環境と消費者保護の両立が今まさに強く求められている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。