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観光ビザ政策の実効性と戦略的再設計の必要性

<写真:plo.vn>
24日に「ベトナムは誰にビザを開放すべきか」と題したシンポジウムが開催され、観光および航空業界の有識者らが、観光客誘致を目的としたビザ制度の改善について活発な議論を交わした。
ビザ制度は長年にわたり検討が重ねられてきたが、現行の制度は柔軟性に欠け、実効性にも課題があるとの指摘が相次いだ。
旅行会社大手Vietravelのグエン・クオック・キー会長は、ビザ制度を経済成長戦略の一環として位置づけるべきだと述べ、特に新型コロナウイルス後の観光回復期に制度整備が遅れたことが観光業の成長機会を逸する要因となったと批判した。
現在、ビザ免除の対象国はわずか26カ国にとどまり、東南アジア諸国連合(ASEAN)内でも後れを取っている。
キー会長は富裕層や高度専門人材を対象とした柔軟なビザ発給制度の導入を提案し、市場や季節、イベントに応じてビザ制度を調整すべきであると訴えた。
Bamboo Airwaysのルオン・ホアイ・ナムCEOも、ビザは観光地としての競争力を高める戦略的ツールであると位置づけ、新たな視点からの制度設計の必要性を強調した。
また、Saigontouristのボー・アン・タイ副社長は、中国、米国、インド、中東諸国など現在ビザ免除の対象外となっている市場に向けた制度拡充の必要性を指摘し、併せて長期滞在が可能な投資ビザや富裕層向けビザの導入も提案した。
Vietnam Airlinesのグエン・クアン・チュン氏は、欧州連合(EU)の未免除20カ国や北米、オセアニア、中東、ブラジルなどを対象としたビザ免除の拡大や、電子ビザ(e-visa)の申請手続きの簡素化を主張している。
ビングループのグエン・トゥ・トゥイ氏は、旅行商品と連動した「条件付きビザ免除」モデルの導入を提案し、信頼できる旅行会社によるパッケージツアー参加者を対象に試行すべきとの見解を示した。
国家観光局のグエン・チュン・カイン局長は、観光産業は総合経済産業であるとの認識を示し、ビザ制度のみならず関連政策全体の見直しが不可欠であると強調した。
さらに、国際大会に参加する選手や映画製作関係者、国際報道機関の関係者に対するビザ免除の方針も示された。
観光振興を実現するためには、単なる制度緩和にとどまらず、経済・文化・外交と連動した戦略的なビザ政策の構築が求められている。
制度の柔軟性と多様性を高め、グローバルな競争環境に対応した制度設計が急務である。
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