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若年男性がHIVと梅毒に同時感染、SNSで複数男性との関係

<写真:suckhoedoisong.vn>
ホーチミン市の男性健康センター「Men's Health」によると、22歳の男性がHIV初期および梅毒に同時感染していたことが明らかとなった。
男性は同性愛者で、過去半年間で10人以上のパートナーと、コンドームを使用せずに性行為を行っており、マッチングアプリを通じて知り合った相手との関係を繰り返していた。
現在、ベトナムでは約26万7000人がHIVと共に生活しており、感染経路の80.8%が性的接触によるものである。
中でも男性同性愛者(MSM)における新規感染の割合は全体の42.2%を占めており、薬物使用者を上回る最大の感染経路となっている。
特に若年層のMSMではコンドームの使用率が低く、HIV検査の受診率も十分ではない状況が続いている。
背景には性的指向を周囲に明かすことが難しい若年MSMが多く、正確な情報や医療サービスにアクセスできないという社会的障壁が存在する。
また、性的交渉力の不足、薬物を用いた性的行為(いわゆるchemsex)の拡大、さらにはパートナーの頻繁な変更といった行動要因も感染リスクの上昇に拍車をかけている。
ある調査ではchemsexを行うMSMのうち71%がコンドームを使用しておらず、パートナーの感染状況を把握していた割合は11%にとどまった。
教育の場においても、包括的な性教育が十分に行われておらず、アプリを介した短期的な接触の容易さや肛門性交に伴う高い感染リスクも状況を悪化させる要因となっている。
さらに、医療現場や社会に根強く残る偏見がMSMの医療機関受診を妨げている現状も見逃せない。
2022年の調査によれば、25歳未満のMSMのおよそ40%がHIV検査の受診をためらった経験があるという。
医療関係者によれば、HIVおよびその他の性感染症に対する治療においては、薬物療法に加えて精神的ケアを含む包括的なアプローチが不可欠である。
また、性感染症を道徳の問題ではなく、医学的課題として捉える社会的認識の転換も求められている。
ベトナム政府は2030年までにAIDSを公衆衛生上の重大な問題でなくすことを目指しており、新規感染者数を年間1000人未満、母子感染率を2%未満に抑えるという具体的な数値目標を掲げている。
予防策としてはハイリスク層に対する予防内服薬(PrEP)の活用が推奨されている。
HIV陽性者がARV治療を継続すれば、6か月後には体内のウイルス量が検出限界以下に抑えられ、性的接触による他者への感染リスクはほぼゼロとなる。
このような治療の進展によりHIV感染者であっても結婚や子どもを持つことが可能となっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。